moonlight 改稿版(前編)
無言の怒りを抑えてもらうためにネオは、ははは、と笑いながら、
「てへぺろー」
オチ収拾(しゅうしゅう)議論で思いついた案を実行してみる。これで少しはなごんだ、とネオは思った。
しかし、
ゴチ――――――ン!
鉄球のような拳で、みちるは無言で頭を叩いた。彼女は強いのだ。中学校まで空手を習っており、その実力は黒帯レベルだ。
「いった〜いっ!」
ネオは、涙目で叩かれたところ擦った。
「バカネオが」
ふ〜っ、とみちるは拳に息を吹いた。
二人をこうしてみると、妖艶(ようえん)で肝の据(す)わった姉といじっぱりの妹みたいな関係だなと、女子学生は思う。
「だってぇ〜」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ