moonlight 改稿版(前編)
「だってじゃない! ……ごめんね、ネオが余計な茶々を入れて」
「い、いえ」
ネオの姉として謝るみちるに、女子学生は思わず両手を振る。
「はあぁー……センコーに怒られるし、みっちぃにも雷を浴びるしー、なんでこんなに運がないのよー」
そのまま抜けた空気のようにぷっしゅーっ! と膝を床につき、ポンコツは女子学生の机に顔を伏せた。
「あ……」
それに目を丸くする女子高生。
「はいはい、ご愁傷様(しゅうしょうさま)。じゃあ、これからはバカなことをしないで仲良くやること! いい!?」
「はーい……」
ネオの気の抜けた返事を見届け、みちるは漆黒の長髪をパサッ! と揺らし、教室から立ち去った。
「だ、大丈夫?」
腑抜けになったネオを女子学生は、苦笑しながら見つめる。
「な、なんとか……」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ