moonlight 改稿版(前編)
「本当に?」
女子学生が冗談っぽくネオに訊ねる。
しかしその一言は、グサッ! とネオの心臓に射抜かれた。が、そこはネオ。怯まずに、
「ほんとだよ! もう大絶賛だよ! あんたも涙流して大感動だよ! ネオ様ありがとうー、だよ!」
えっへん、とでかい口を叩く。
「それは、どんな言葉?」
「それは、それは……ひみつ! あんたがあたしをバカにしたからひみつ! 」
「えー、聞きたいなあ」
「だーめ! わたしがそう言っているんだから、これでいいの! ああ、もう! 茶々入れるから収拾がつかないじゃないのよ! どうしてくれるのよ!?」
「え、ええっ!?」
ネオの――ポンコツの意味不明な申し立てに、女子学生は困惑する。
「あんたが笑ったあとに、わたしに『ありがとう』って言ってくれればすぐに次の展開に……!」
「そ、そんなこと言われても……」
「はぁ!?」
わあ、わあ。
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ