moonlight 改稿版(前編)
こーでもない、あーでもない、とネオはぶつぶつ独り言を漏らす。
「あ〜っ、もう! どういう風に言えばいいのよーっ!」
制御不能で大暴れするポンコツロボットのように、顔を下にして頭を抱え、大混乱している。
そんなポンコツ女子が披露した、不器用丸出しの賞賛劇(しょうさんげき)を見て思わず、
「ふふふふふ……」
と女子学生は我慢できなくなり、しまいには、
「あはははは!!」
腹を抱えて大爆笑。
こんな笑い方もできるんだ、ネオは呆然と彼女を見つめる。
「あ……ご、ごめんなさい」
我に返った瞬間、彼女はすぐに顔を赤くしながら謝った。
ウチのバンドにいる誰かさんにそっくりだ、と思いつつ、ネオは腕組みして、
「まったくよ。すっっっっごい褒め言葉を考えていたのにー」
むーっ、と顔を膨(ふく)らませて不満顔。
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ