moonlight 改稿版(前編)
ぎゃあ、ぎゃあ。
賞賛劇(しょうさんげき)が、収拾つかなかったオチについての議論へと発展していった。
そして、一〇分が経過。
「――だいたい、あんたが『この先どうする?』って投げかけて、わたしが、『何もなかったことにしよ! てへぺろー』って返せば、すぐに次の話題に行けたのよ!」
「だ、だから、そんなの、私には無理だよ……」
「じゃあ、どうすればよかったのよ!?」
道端(みちばた)ですれ違う犬の吠えあいのように言い争いが続き、それが廊下に響き渡る。
その騒がしさに、「何をやっているんだ?」、と二年一組の周りに学生が集まっていく。もちろん、男女関係ない。「ものすごい舌戦だねー」と他人事のように見る学生。「女のケンカってこういうものなんだぁ〜」とか、「すげー」と、初めて見る女の喧嘩をまじまじと見つめる男子学生のやり取り。
そんな周囲に二人は目もくれず、ただただヒートアップしていく。と言っても、それはネオだけ。そして、戸惑う女子学生。
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ