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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

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「要領(ようりょう)がいいんだから。じゃあ、鍵、お願いね!」
「入る前にちゃんと正せよー」
「わかってるぅー」
 みちるに手を振り、ネオは校舎の奥まで進み、階段を軽快に駆け上がった。
 あっという間に3階にたどり着き、女子トイレで服装を整える。膝より上に裾をあげたスカートは、膝のあたりに調整し、私服のようにしているカッターシャツは、スカートの中に入れる。これがこの学校での本来の着こなし方だ。しかし、ほとんどの女子生徒はほとんどがネオみたいな着こなしなので、なかなか守ってくれない(男子も同じ)。そのための、服装検査ではあるのだが。
「よし!」
 洗面台にある鏡でチェックし、ネオはトイレの隣にある再検査会場――視聴覚(しちょうかく)教室へと入った。



「……はぁ」
 二階の職員校舎と学生校舎をつなぐ廊下で、ネオは意気消沈していた。ライブのように爆音でセミたちが鳴くが、それすら耳に入ってこない。