moonlight 改稿版(前編)
みちるに言われた通り、校則通りの服装に直し、そのファッションを見せる開場――職員校舎三階にある視聴覚室で、先生にきちんとした姿を見てもらった……までは良かったのだが、検査終了後、すぐに廊下で元のスタイルに戻ったところを担任の大嶋(おおしま)先生に見られて、再びきつーい説教を受けてしまった。その結果、
「なんであんなにしつこいのよ、もう……」
ペコン、と頭が垂れる。
自分がアニメキャラクターなら、へこんでいる時の――無数の青と黒の直線で表現されているな、とネオは思う。
そんなローテンションのままトボトボと廊下を歩き、自分のクラスである二年一組の教室へと入った。
いつもなら選択授業など多目的に使われる選択教室で、みちるやクラスの友人たちと共に、バカ騒ぎをするのだったが、さすがにこのテンションでは雰囲気を悪くしてしまう。なので、静かに席に座って伏せておこう、と頭から両肩まで重くのしかかる疲れをとることを決めた。
教室は学生が色々な場所で話したり、遊んだり、男女がデートのような雰囲気になっていたりするような賑やか、ではなく、女子学生が数人が話しているだけでわりと静かだ。みんな、どこか別の教室で遊んでいるのかもしれない。
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ