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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

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 ハッ! としたように、ネオは口に手を当てた。
「そうだ、忘れてた!」
 ――先週、期末試験の全科目が終わった次の時間に学年集会があり、その時に服装検査が実施された。いつもの服装――夏服用の半袖カッターを私服のようにだら〜っとスカートの上に重ねて、灰色のスカートは膝よりも上。よくテレビで見る、都会に住んでいる女子校生と同じような服装だ。
 だが、現実はニュースでよく見る映像のように甘くはなく、岩国総合高校の校則規定による服装は、シャツはスカートの中に入れ、そのスカートの丈は、膝よりも下でなくてはならない。
 その校則に基づく検査で、ネオは担任の大嶋(おおしま)先生に、
「なんで堂々とだらしない格好をしているのよ!」
 これが当然! これがスタンダードよ! と思っているネオは、先生の鬼の形相でガミガミと説教を受け、再検査を昼休みに受けることになったのだ。
 それが今日の昼休み。
「ああーもう! なんでここの学校は校則に厳しいのよー」
「それはどこも同じなんじゃないの?」
「めんどくさいなあ、みっちぃはあたしと同じような格好なのに、なんでひっかからないのよ」
「いつも集会が始まる前に、身だしなみは整えているからね」