女は今が幸せなら、昔の古傷は痛まない~鬼平犯科帳などなど。
今回は泣きませんでした。
何か泣き笑いのような顔になっていたと思います、私。
久榮が無垢ではないと知っていながら、娶った平蔵。
当時、久榮は唯四郎に良いように弄ばれて傷ついていた。
それが平蔵の大らかな愛に包み込まれて、久榮は女としても人間としても
より美しく凛とした気高い花を咲かせた。
まさに、理想の結婚、夫婦のあり方を描いているように思うし、
いかにも度量の大きな平蔵さんらしいと思いました。
これは明らかに蛇足ですが、私はこれを書きながら、ふと
自分の結婚生活を振り返りました。
私は早くに結婚したけど、二年で離婚しました。
小説らしきものを書いていたのは小学生のときからですが、
実はその二年間はまったく書いてないんですね。
相手がそういう趣味がまったくなかったことと、
ひたすら相手に気に入られたい、好かれたいと考えるばかりで、
心のゆとりもなかった。
気がつけば、1文字も書かずに過ごしていました。
執筆を再開したのは離婚後、心の空白を埋めたかった、つまり最初は現実逃避
でした。
ですが、そのことが創作活動が私のライフワークだと私に気づかせた
きっかけとなりました。
もし、最初の結婚が続いていたとしたら、東めぐみは存在していなかったかも
しれません。
今の主人には私、特に良く見られたいとか、そんな風に恰好つけたことはない。
主人は良いところも悪いところも含めて、私を認めて受け容れてくれています。
だから、安心して一緒にいられる。
平蔵さんや久榮さんのように美しくも理想的でもない私たちですが、
2度目の結婚でやっと本来の自分らしい自分になれたというところは
少し久榮さんと似ているかもしれない。。。
結婚する前から、私の書き上げた作品をいちばんに読むのが主人です。
色々とゆきづまったときに相談できるのも主人。
最初の夫がまるで無関心だったのとは正反対、私の執筆にかんしても
相談役になってくれる。
うーん、これはもう少し旦那さんを大切にしてあげなきゃいけませんね。。。
と、最後はどうでも良い独り言になってしまいました-笑。
☆ 時は河の流れのように~狐火より~
皆様、こんにちは。
午前中はいつものように買い出しに出ておりました。
さて、一昨日の夜になりますが、私はいつものように鬼平犯人科帳を
見ました。二話の中の特に印象深かった狐火というお話について
今回はご紹介したいと思います。
このドラマはもちろん平蔵が主役ですが、その時々によってスポットライトを浴びる
人物が違います。
密偵たちの宴というように、平蔵の使っている密偵たちが主役の
ときもある。
狐火はその密偵たちの中では紅一点のおまさが主人公。
おまさは10年前、狐火という盗人集団で引き込み役をしていた。
そこで勇五郎という若い仲間と恋仲になったけれど、
狐火では仲間内の恋愛は御法度、つまり禁止されている。
勇五郎の父は狐火の頭領でした。
年老いた父親を裏切ってまで女を取るわけにはゆかないと勇五郎はおまさを
突き放した。
【画像あり】
☆ おまさと勇五郎は昔から相惚れの仲だったがー。 ☆
それから十年、今、おまさは平蔵の手下として働いている身です。
そんなある日、江戸で大店が盗人に入られ、有り金すべて強奪された末、
皆殺しにされた。
あろうことか、現場には狐火の仕業だと示す札が残されていた。
だが、狐火は先代から急ぎ働き、つまり、犯さず、殺さず、傷つけずの盗人
仁義を固く守る集団で、そんな無法をするとは、おまさには信じられない。
ましてや、先代の遺訓を守る勇五郎が今も狐火を率いているとすれば、
尚更信じられなかった。
信じられない想いの中、おまさは勇五郎と再会。
昔、狐火にいた老人が今は堅気になり、先代の忘れ形見の娘をひそかに
育てている。その老人がやっている茶店での再会。
勇五郎は今は狐火の二代目として京都に暮らしているが、ここのところ、
狐火の名をかたってあくどい盗みを繰り返す輩がいると怒り、
江戸に出てきた。
勇五郎はその犯人が異母弟の文吉だと目星を付けている。
実は文吉は正妻の子で、勇五郎は妾の子だったにも拘わらず、
先代が勇五郎を狐火の二代目に指名したため、文吉は狐火から離れ、
勇五郎とは縁を切っていた。
弟の自分への報復だと勇五郎は見当をつけていたのである。
おまさ、もう一度やり直そう。今はもう親父もいねえ。
俺はお前を女房にしたいんた゜
今なお勇五郎への想いを忘れられなかったおまさにとって嬉しい科白でした。
文吉に会って狐火の名を汚す悪行を止めさせると江戸に向かう勇五郎。
おまさももちろん彼についていきました。
茶店の老人が面倒を見ている娘お久は勇五郎のやはり異母妹に当たります。
既に嫁入りも決まっているというお久は何も知らず、また
唯一の身よりと信じている老人を巻き込むわけにはゆかないと
勇五郎は老人をお久の元に返しました。
おまさに外で待つようにと指示し、勇五郎と文吉の隠れ家に入っていく。
しかし、やはり兄弟は折り合うことはできませんでした。
文吉の手下たちと乱闘になった勇五郎の身が危うくなったところに
平蔵たちが流れてこんでくる。
もちろん、平蔵たちはあらかじめ、他の密偵たちに探らせて、このことを知っていたのです。
結局、勇五郎は文吉を殺した。
平蔵はその昔、自棄になって放蕩三昧をしていた時代がある。
その頃、狐火の先代とも親しい仲だった。
親父さんの顔に免じて、今回は見逃してやる。だが、二度と盗みはしねえと
証文を置いていってくれ
平蔵は勇五郎を召し捕らなかった代わりに、彼の利き腕のすじを切った。
これで勇五郎はもう利き手をまともに使えない。
惨いようですが、これが平蔵なりの温情なのだと判りました。
一度盗みを働いたものはなかなかその道から抜け出せない。
その盗人根性をよく知る平蔵だからこその処置であったといえます。
勇五郎とどこにでも好きなとこに行きな。ただし、おまさ、もう二度と
俺の前に姿を見せるなよ
その科白を背に、おまさは勇五郎と江戸を離れました。
そこで、私はおまささんの登場もここまで?
と思いかけたのですがー、
先代狐火の娘お久の婚礼の日。
ひそかに見届けに出かけた平蔵はそこにいるはずのないおまさを見ました。
どうした? お前は勇五郎と一緒のはずじゃねえのか?
当然の問いかけです。
と、おまさは
あの人は旅の途中の宿でく亡くなりました。
もしや刀傷のケガが元で亡くなったのか?
作品名:女は今が幸せなら、昔の古傷は痛まない~鬼平犯科帳などなど。 作家名:東 めぐみ