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ビー玉

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「な、なぁ。月見里・・・さん?」
「花美でいいわ。・・・何?」
彼女はいちいち俺の目を見て言ってくるから少し恥ずかしい。俺はさっきはテンパってて聞けなかったことを聞こうとしたら、花美のほうから言ってきた。
「あなたと付き合うことで、男女交際とはどういうものなのか確かめたいだけ。別にあなたのことはどうでもいい」
声のトーンを変えずに、顔色も変えずに、淡々と話す花美。花美は話し終わると「もう帰るから」と言い、帰って行った。
今は夕方の5時、夕日が教室を照らす。俺は一人、教室で何もせずただ椅子に座っていた。
電気は消えている。他の教室にはだれもいない。多分。昂の奴も今日は先客がいるのだろう。
帰る奴がいないから教室を出てった花美の名を呼んでみる。だが、来ない。もう帰ったと思う。
「帰るか・・・」
俺は一人、誰もいない教室でつぶやく。ケータイをバックから取り出し、メールが来てないか確認する。新着メールの所を押すと、今さっきメアドを交換したばっかの花美から一件きていた。
――――何?私になんか用?、ときていた。まだ校舎にいるのかもと思い、俺は急いで仕度し、メールをしながら
階段を下りる。
――――一緒に帰ろ?、そう送ってみた。だが、彼女からの返信は一向に来ない。
俺は昇降口で待っていたが待ちきれなくなり、一人で歩いて帰っていこうと思った。だが、トイレに行きたくなったので、2階へ上がる。自分の教室の前にトイレはあるので、そこを通ると、花美が教室の中にいた。俺の机の上に座っている。そして外を見ている。俺は話しかけようとしたが、やっぱやめた。
彼女は嬉しそうに鼻唄を歌っていた。ご機嫌に足をブラブラしている。あの冷たい目をしている月見里花美が今、まるで子供のような鼻唄と共にうれしく足をバタつかせる。
俺は自分がトイレに行きたいことを思い出し、トイレに向かう。
俺は用を済ますと、花美宛にメールを送る。
―――今どこ?、と送ってみた。そして俺は花美にばれないように教室を覗いた。
花美はポケットからケータイを取り出し、カチカチケータイをうってる。
2分後、―――あんたには関係ない。と返事が来た。
ならと思い、俺はバレる覚悟でメールを送る。
―――ならなんで教室ではしゃいでんの?、と。そしたら彼女はビクッとして、あたりを見回す。
俺はその間にゲタ箱に向かう。

作品名:ビー玉 作家名:DG4