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ビー玉

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キーンコーンカーンコーン。授業終わりのチャイムがこんなに愛しく思えたのは初めてだ。
俺は廊下で授業が終わるを待っていた。そして今終わりのチャイムが鳴る。と同時に殆どの生徒が教室から出ていく。
そこに昂が出てきた。隣にあの礼の彼女もいる。
「なに?なんで仲良くなってんの?」
俺は言うはずのなかったこと言ってしまった。俺は慌てて誤解を解こうとするけど昂のほうから話してきた。
「お前、この子と付き合うことになったんだってな。この罪な男め」
「は?今、なんて?」
俺は何かの聞き間違いかと思い、もう一度聞いてみる。すると今回は彼女のほうから話してきた。
「私はあなたの彼女。あなたは私の彼氏。そういう設定で」
「「は?」」
俺は、いや、なぜか昂の奴も驚いていた。
「いや、いまなんて?設定?」
「いや、いまなんて?彼女?」
殆ど声が重なり合うが、俺と昂の驚くところは違うらしい。俺は彼女の所。昂は設定の所。すると彼女は淡々と話す。
「私はあの場からどうにか抜け出すために嘘をついた。あの場ではどうすることもできなかったから私は彼の彼女だと嘘をついた。それで私はこれからあなたの偽物の彼女になる」
彼女は説明を終えると俺の腕に彼女の腕を巻きつけ、ギュッとしてきた。今俺の心臓の鼓動が速くなる。ドキドキする。いくら偽物とはいえ彼女は俺の彼女だ。しかも俺の好きな相手かもしれない奴に腕を抱かれてる。
だが、俺は耐えられなくなり、彼女に離れるように言った。
「私が抱きつくと嫌な気持ちになるのか?」
彼女は先ほど俺の腕を抱いていたのに顔の色が全く変わってない。それどころか感情がないってくらいな真顔で俺を見つめている。
俺は顔が赤くなる。昂は固まっている。ただ彼女は平然としている。
「そういえばまだ自己紹介まだでした。私は月に見るに里と書いてやまなし。花に美しいと書いて花美よ。よろしく」
「あ、あぁよろしく。俺は朝倉李音だ。よろしく」
俺我自己紹介を終えると、昂が自己紹介しようと口を開く。が月見里が「あなたは関係ない」と一言で昂を言いくるめた。
昂はまた固まり、というかそのままの形で止まった。
「行きましょ、李音君」
彼女はそのまま俺の手を引っ張り、昂を無視する。

作品名:ビー玉 作家名:DG4