ビー玉
「待って李音君!」
靴を履き終え、帰ろうとする俺に花美が止める。顔を真っ赤にして。
「一緒に帰る気になった?」
「違うわよ!違わないけど・・・とにかくなんで私を見てたの!?ストーカーなの!?」
「偶然だって、ただ花美にもあんな一面あるん」
花美は俺の口を両手で塞ぎ、俺を屋上へと連れてく。
「なぁ花美。わざわざ場所を変える必要あるか?」
「う、うるさい!」
花美は顔を隠すように背を向けてる。彼女は何か言いたげそうにこちらを向くとその顔はいつもの孤高な顔だった。だが
「李音君。私は・・・私は」
孤高な顔つきだが、顔は赤い。りんご病と言ってもおかしくないくらいに。顔は俺から反れてる。
「私は・・・私は李音君のことが好き・・・」
驚く俺。顔を反らす花美。この時間はきっと5分とかなんだろうけど、俺には何時間にも感じた。
花美は申し訳なさそうに俺を上目遣いで見る。それに俺は察して咄嗟に思いついたことを言う。
「は、初め見たときお、俺花美のことかわいいと思った」
「え?えぇ!?あ、いや、その・・・」
再び花美は顔を真っ赤にしながら反らす。俺はもう遅いと思って、そして俺の気持ちをつてえようと思って、テンパらずに落ち着きを持って話し始める。
「俺も花美のことが好きだ!最初は無理かと思ったけど花美がその気なら俺は花美の彼氏になる!偽物のカップルじゃなくて本物のだ!」
肩で息をする俺に抱きつく花美。俺は花美の頭に手をのせ、なでてあげる。そんな俺らをもうそろそろ沈みそうな夕陽が照らす。