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和尚さんの法話 「因果応報」

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京都の人は知ってると思うのですが、京都の千本通りに釘抜き地蔵というお地蔵さんがあるんですが、和尚さんがその寺の前を通ったときに、そのお地蔵さんの名前が変わってるので、中へ入って拝んむとパンフレットが置いてあって、自由にお持ち帰り下さいと書いてあったので、それを読んでみますと、そこのお地蔵さんのいわれが書いてあったんです。
、何百年か前に、その近くに住む長者があって、ところが四十歳ころからだんだんと身体が痛くなってきて、どうしても治らないんです。
それで、近所の或る人が、お医者さんもいいけど、あそこのお地蔵さんは、霊験あらたかなお地蔵さんだからと。
弘法大師が中国から帰るときに、中国から石を持って帰ってきて心を込めて彫ったお地蔵さんだから霊験あらたかだから、お地蔵さんに一所懸命にお願いしなさいとすすめられたんです。
それでワラも掴むつもりでそこのお地蔵さんに頼んだんです。
そうしましたところが、或る晩に夢にお地蔵さんが現れて、「おまえの病気は、前世の業の病気だ」と。
「普通の病気と違うから、お医者さんや薬では治らん」と。
「その病気を治したかったら、わしを一所懸命に頼め」と。
夢でそうおっしゃるんですね。
そして、「おまえは前世で何をしたのか教えてやる」と。
「或る人を恨んで、祈り釘を打った」と。
今でこそ祈り釘を打つというようなことは迷信だと思って、しませんけれどもね。
時代劇に時々出てきますわね、自分の気に入らん人を殺すのに、人形を作って木に釘を打つというのがテレビにありますね。
和尚さんの子供の頃に、近くに大きな杉があって、その杉にあったそうです。
人形があって、何本か釘が打ってあって、それを和尚さんのお父さんが引き抜いてたそうです。
あれは殺意を持ってやってるんですからね、殺そうと思ってね。
それは大きな罪なんです。
「その報いで、おまえは身体の節々が痛んでるんだ」と。
「だから、おまえは一所懸命にわしを信仰するのであれば、おまえの病気を治してやる」と。
こういう夢を見たんですね。

それから一所懸命にお地蔵さんを拝んでしてましたら、それで病気が治ったんです。
それからくぎ抜き地蔵という名前になったということです。
これは本当の話だと私は思いますね。
だから、もうこれは悪いことだな、と思ったら何でもしないことです。
これはいい事だな、と思うことは何でもすることです。
悪いことをしないで、善いことをする。
悪いことというのは、直接手をかけることだけじゃなくて、口で言うのも罪になるんですよ。
悪口雑言、悪口言うたりするのも、それでも業になるんです。
善いことを言うたら善い業になり、悪いことを言うたら悪い業になる。
そして、口でも言わないんだけど、心で思うというのもあるんです。
口に出して言えないけれども、影であの人は、と悪くなればいいのにと影で思ってる。
その人には、平気な顔で接してるけど、心で悪く思ってる、それも罪になるんです。

お釈迦様のお弟子さんに目連というお弟子さんがあるんですが、目連と言う方は、他の宗教家に殺されて死ぬんです。
阿羅漢ですから徳の高い人なんですがね、ところが即死しなかって、友達が見つけてお釈迦様のところへ連れていくわけなんです。
で、その友達が、あなたはお釈迦様の最高の弟子ではないですか、しかも神通第一といわれているあなた様が、こんなことが予測できなかったのですかというわけです。
今のように闇から鉄砲で撃つというのと違うんですからね。
道端で隠れてて、棒で殴り殺されたんでしょ。
他の宗教家に、仏教が妬まれたんですね、お釈迦様がどんどん仏教を広めていくのでね、他の信者がとられてしまうというのでね。
仏教に帰依する人が多いので、他の宗教が妬んで仏教教団を破壊しようというのでいろんな手段を使うわけです。

もうひとつ、このお経にあるんですが、蓮華色比丘尼という尼さんがあるんですが、蓮華という蓮の華のような綺麗な女性というので、これもあだ名でね、そういう尼さんがいました。
その尼さんが、お父さんが亡くなって、お母さんと二人で生活していたんです。
それで縁があって、お婿さんをもらうわけです。
そして女の子が生まれるんですが、自分の母親が、夫と愛し合ってるんですね。
それに気がついて、生まれた女の子を置いて、書置きして、あなた方が仲良く暮らしてください。私は身をひきます。
と、書置きをしてインドの他国へ出てしまうんです。
そして、また縁があって再婚するわけです。
その後の主人は、行商人で月のうち幾日か家を空けるわけです。
その主人が行商中に、主人の或る友達が訪ねてきたので、主人のお友達だというので、お酒を出して歓待したところがお酒が入っていい気持ちになってきて、あなたは幸せだと思ってるのか知りませんけれども、あなたのご主人というのはこうですよといって、あなたの主人は他へ好きな女性を置いてあるんだよ、と。
それを主人が帰ってきたときに言うわけです。
私に秘密があるでしょう。

先日、あなたの友達が来て、実はこうこうこうでと話して
そんな遠い所へ置いておくのは可哀相だから連れてきてあげなさいといいました。
そして、歳が離れてて若いというのなら、自分の娘だと思って可愛がるし、同じような歳だというなら姉妹だと思って仲良くしますから家へ連れてきてあげなさい、と言うのです。
すると主人は、そうか、それならそうするか、すまんなあ、ということで連れて帰ってくるわけです。
そして自分の娘の歳と同じだとわかって、仲良くするのです。
で、主人はまた行商に出るわけです。
その留守中に、或るときに髪をすいてあげて、あなたもこんな境涯になるというのは、言うに言われぬ不幸なことがあるんでしょうと。
私を母とも姉とも思うて何でも打ち明けなさい、あなたの見方ですよと、いうわけです。
で、その心にほだされて、語ったことを聞いてると、自分が産み落とした娘だったんです。
それを聞いて、今までの優しい気持ちがむらむらむらと変わってきて、どうして男は一人の女性を愛することが出来ないのだろうと。
前にも母親に夫を奪われて、今度は娘に夫を奪われた。
それで家を出てしまったんです。
そして闇の女になってしまったんです。
新郎さんを誘惑して、新婚家庭を破壊するわけです。
その頃に、お釈迦様がお出ましになって、仏教がだんだんと広まっていくわけです。
それで他の宗教から妬まれるわけです。
そして目連が殺されたというのも、そのひとつなんですね。
他の宗教家連中が集まって、闇の女に蓮華色女をいう女が居る、あれは男を呪ってるんだと。
あの女はお金さえやれば何でもするというので、蓮華色女を呼んで、お釈迦様の弟子たちを誘惑するように頼んだわけです。
そして、仏教教団というのは、こんな淫らな教団だということになってきたら、また我々の時代が来るだろう、また信者が集まってくるだろうと、いうことです。
それで、蓮華色女は引き受けて、或る森の中で目連と出会うわけです。
そこで目連を誘惑しようとして、甘い言葉を言うて身体をくねらせて誘惑しようとするわけです。
ところが目連は悟ってますから、そんな誘惑には落ちない。