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本音のホンネ

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Episode.5冗談はほどほどにして!


「そーいえばお前、何か頼まないのか?飲み物くらいならおごるぞ」


「ん?そうねーまあそれならなんか頼もうかな・・。それにしてもあんた良くこんなとこ入り浸ってるわね。飲み物だけ500円するのに・・あ、このチーズケーキ美味しそう。これのホットレモンティーセットにする」


「おい・・俺はの・み・も・のは奢ると言ったが他は何も言ってない!」


「うるさいわね・・もっと器大きくなったら?そんなんじゃあ再就職も難しいかもね。ほらさっさと頼んでよ」

キアラはメニュー表を指でトントン指し、少し小馬鹿にしたような顔で俺に注文を促す。


「たくっ・・すみませーん!」

店員がすぐテーブルまで駆けつける。


「このチーズケーキセット一つ、飲み物はホットレモンティーで。・・はい食後で」


「ありがとうっ!」


彼女は満足な様子で笑みを浮かべる。



「どーいたしまして。さて本題なんだが先程のホランド理論だが・・」



「ふんふん」



「まずはこれを見てもらおうか!はっ!ふぬぬぬぬぬぬうぬっ!」


徹は飲みかけのカフェオレのグラスの外側から念力をこめるかのように両手をかざした。



「は!?」


キアラは訳が分からずただただポカーンと眺めている。しかし、徹はそれにも目をくれずまだ「ぬあああっ!」とグラスに力をおくっている。



「はっ!・・・・ふぅ・・ふぅ・・・ふーーーー」



儀式みたいなものが終わったのか徹は息を整え、あいかわずポカーンとした顔のキアラにやりきった顔をしてこう言った。


「よし、これで大丈夫だ。ほらこのカフェオレを飲んでみろ」


彼はさっとグラスをキアラの方に寄せると飲むのを促すように彼女の口の方へ、移動した勢いでずれたストローを向けた。



「ん?は!?えっ何?飲めって?いやいや何言ってんの?」



彼女は手をぶんぶんさせ、おまけに顔を真っ赤にさせ困惑しているのか恥ずかしがっているのかわからない様子で声を上ずらせた。


「俺が口付けたのを飲ませるのは悪いと思ってるが、これもこの後の話のためなんだ!頼む俺のカフェオレを飲んでくれ!」


徹は両手を合掌させ彼女に頼み込む。それを見た彼女は顔ポリポリ書き、少し顔そらしながらこう言った。



「まあ・・これが徹のためって言うなら仕方なしに飲んであげる・・たくっ仕方なしだからね」


彼女はストローに口をつけ少しだけ飲んだ。


「・・・」


「どうだ?」


「どうって普通に美味しいけど・・」


「いや美味しい以外にもあるだろ。味とかどうなんだ?」


「いやまあ甘いけど」


「今なんて?」


「え?甘いけどそれが?」


「そうだよ、甘いんだよ!俺の芸術的な特性がこの水見式では水が甘くなるんだ!」


「は?水見式?何よそれ?あんたがさっき力込めてたからこの水が甘くなったとでも言うわけ?」


「なんだお前知らないのか?芸術的なタイプは水が甘くなるが、お前みたいな現実的なタイプがやると恐らく水が溢れ出す。まあお前もHUNTER×HUNTERを読めって事だ!現実ばかり見すぎても楽しくないだろ」




「・・・・あーなるほどね・・。あんたまた漫画の話を現実に持ち込んでたってわけね。せっっかく!久しぶりにあんたの真剣な顔見たからこっちもその気になったのに・・もういい帰る」


キアラはバッグを持って立ち上がろうとするが、徹が腕を持って制止させる。



「ご、ごめん!悪い悪かったって!!ついちょっとふざけただけだから許してくれ。そのちゃんと話すから待ってくれ」



「・・・たくっいい加減にしてよね。そーいう冗談嫌いって言ってるでしょ。何回言わせれば気が済むの。さあっさっさと話なさいよ」


彼女は彼の手を振りほどき、正面を向きガンをとばす。怒ってはいるがちゃんと話は聞いてくれるようなので彼はホッとしながら今度はふざけないで真面目に話そうと心に誓った。

作品名:本音のホンネ 作家名:長谷川徹