永遠の冬休み
僕は手を引っ張られているので、栄の走るペースに合わせなきゃいけない。
案の定栄の方が、走るの速いのでこけそうになったり、道を曲がるときにまたこけそうになったり、止まるとき押し潰しちゃったり、あとでちゃんと謝ったけど。
まぁなんだかんだあって、僕の家の前に着いたけど、栄が家の前で止まっている。
「なに?入らないの?」
僕が聞くと、栄が僕の横に立ったまま僕に話しかける。
「前、つーくんが言ったことって・・・本気?」
だが僕は何の事を言ってるか分からず、思わず「は?」と言ってしまう。
「だから・・・その、前私に、わ、分かった、・・つ、付き合おう、て言ったじゃん・・・」
栄は恥ずかしいのか、最後の方が殆ど聞き取れないほど小さい声で言う。
僕は思い出すと同時に、自分でも顔が赤くなるのが分かる。
「う、うん。本気だよ。栄さえ良ければ」
「その・・・こと、なんだ・・けど」
栄は一息置き、深呼吸する。僕はこの間が10分くらいに思えた。
「・・・いいよ」
「え?」
僕は栄の方に体を向き、確認のつもりで聞き返す。
「今・・・なんて」
「私もつーくんのことが・・・好きだから・・・付き合って、も・・・いいよ」
僕はこの時、恥ずかしいよりもうれしさの方が強く、その場で僕は横にいる栄を思わず抱きついてしまった。栄は顔を真っ赤にして慌てて言う。
「ちょ、ちょっと!?つーくん!?」
「・・・ありがとう」
「・・・もう、いつまでも子供なんだから」
そう言い、栄も僕を抱く。
多分この時、僕らの考えが一致した瞬間だと思う「永遠にこの時間が続けばいいのに」ってね。