永遠の冬休み
「へっくしょん!」
「つーくん大丈夫?」
「うん、なんか最近冷えてきたからね」
季節は冬、秋が終わり、紅葉が落ち、雪が降るころ、僕と栄は学校の終業式が終わり、家に向かって歩いているところだ。
今日は雪が降っていて、おまけに明日はクリスマスイブだ。
「そういえば明日はイブか・・・」
「ふふふっ、そういえば去年を思い出すね」
あれから栄は性格が変わり、女っぽくなり、最近ではずっとこんな調子。だから胸のドキドキが止まらない。
だが、中身は変わらない。いつまでも栄のままだ。
「そういえばあれから1年か」
「そうだね、あの時はつーくん、カッコよかったよ?」
栄は僕の顔をのぞいてくる、と目が合ってしまった。僕は動揺を隠しきれず、目を逸らす。
なぜ栄がこうなったかは、幼馴染の僕でも、栄のお母さんでも分からない。
なので今聞いてみることにした。
「そ、そういえばさっ、栄ってさっ、最近変わったじゃんっ?なんで?」
栄は笑顔で「なんででしょー」としか言わない。
そんな会話をしてる間に、栄の家に着いてしまった。
最近は栄は僕を家に上がらせない、なぜかはわからない。だがこの頃栄は僕の家に行きたがる。
「じゃあ~、今日は、私はつーくんの家に行くから、明日は私の家に来なよ?」
「明日ってことは、クリスマスパーティー?」と聞くと、何事もなかったように僕の家に行く準備を始めた。
支度を終え、栄は僕の手を引いて、走ってく。
「ほら行っくよー!急いでつーくん!」
「わ!ちょ!待ってよ栄!」