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和尚さんの法話 「地獄」

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今はもう親を殺すのを簡単に殺していますけど、父を殺す、母を殺すと、五逆罪といって五つの罪があって、この五つの罪を犯したらもう永久に救われないというくらいの罪なんです。

そのひとつが父を殺す、母を殺す。
阿羅漢を殺す。

それから仏様はどんなことをしても殺すことは出来ないが、場合によっては、仏様の身体に傷を付けることがある、そして血を出す仏身出血。

そして仏教教団の破壊。

この五つの罪を五逆罪といいます。


「若し衆生有りて仏身より血を出し、三宝を毀謗(きぼう)し尊経を敬せざれば亦まさに無間地獄に堕して千万億劫にも出でん事を求むるに期無かるべし。若し衆生有りて偽りて沙門となり」
沙門とは、仏教者のことです。

「心は沙門に非ず、常住を破り」
沙門は坊さんのことですね。常住とは、お寺の大事な器具、道具ですね。


「白衣を欺誑(ぐぼう)し種々に悪を作らば」
インドの一般の人は白い衣を着て、お坊さんは黄色い衣を着てたんです。

在家の人を白衣というたんですね。

ですから嘘を騙して、白衣の一般の人を騙すと言う意味ですね。


『無間地獄』

「是の如き愚人当さに無間地獄に堕して千万劫にも出でん事を求むるに期無かるべし』と。


地蔵又聖母に申して言さく。

『若し衆生有りて是の如きの罪を造らば当さに五無間地獄に堕すべし。

暫く苦を停(や)めん事を求むとも一念も得ざらん』と。」

無間というのは次から次からと、間が無く罪を受けることですね。

一瞬も止まらずに罪を受ける。


「摩耶夫人重ねて地蔵菩薩に白し申さく『如何なるかを名付けて無間地獄と為すや』と。

地蔵菩薩聖母に申して申さく、『あらゆる地獄は大鉄圍山の内に在り。其の大地獄に一十八所有り。次に五百有り、名号各別なり。次に千百有り、名号亦各別なり。」

と、いろんな地獄があるという表現ですね。


「無間地獄とは其の獄城周匝(そう)せること八万余里、城上に火聚有り空缺有る事無し。」

これは火の地獄ですね。


「其の獄城の中に諸獄相連なり名号各別なり。独り一獄有り名付けて無間と云う。獄壁の高きこと一千里、悉く是れ鉄なり。獄中に床有り、一人また満ち多人亦満つ。』

地獄の中にはいろんな地獄があり、その中に無間地獄があって、名前もいろいろある。その中に無間地獄というのもある。

その牢獄の壁の高さが一千里で、鉄がある。

そこに床があって、その床に一人寝ても窮屈で、身動きが出来ないんですね、それで無間地獄と。

他のところはまた、大勢がいっぱい皆でぎっしりいっぱいで、それで窮屈で窮屈で、一人でも窮屈なところへ大勢がはいって、無間地獄というのも、いろいろ種類があるということです。


「諸の罪人つぶさに罪を受く。千百の夜叉、悪鬼の口牙剣の如く、眼は雷光の如し。或は舌を抜きて耕梨し洋銅を口に注ぎ、」

舌を抜いてその舌で土を耕し、溶けた銅の熱湯を口に流し込む。

「熱鉄を身にあつ。」焼いた鉄を身体にあてる。

「是の如き罪状言説も及ぶ事能わず。又五事の業感有り故に無間と称す。何等をか五と為す。一には日夜に罪を受けて劫数を経るも間絶無し、故に無間と号す。二には一人また満ち、多人亦満つ、故に無間と号す。」

次から次から絶え間なく罪を受けること。その間が無い。

大勢ひとつの部屋にいっぱいになってそれこそ間が無い無間地獄

「三には飢えては鉄丸を食い渇しては鉄汁を呑む、」

喉が渇いたと思い水を飲むが、それは溶けた鉄の汁である。

お腹が空いて食べようと思えば鉄の玉である。


「年を経るも間断無きが故に無間と号す。」

この状態がずーっと続く。


「四には男子、女人老少、貴賤を問わず罪業業感して間断無し、故に無間と号す。」

「五には若し此の獄に堕して初入の時より百千劫に到る迄一日一夜に万死万生し、」

死んでは生まれ、死んでは生まれして罪を受ける。

この世は死んだらあの世へ行けばいいと思うが、あの世は死んでも死んでもすぐに生き返り、また罪を受ける。

生き返って、死んで、また生き返る。


「一念の間も休息無し、業尽きて將に受生を得るをば除非す。」

この無間地獄で罪を受け業が尽きた者はその限りではない。


「地蔵菩薩聖母に白して申さく。無間地獄を麁説(そぜつ)すること是の如し。若し広く地獄の罪器等の名、及び諸の苦の事を説かば一劫の中に説くも尽きざらん』と。摩耶夫人聞き已りと愁憂し、合掌して退く。」

無間地獄というのを簡単に解いてもこうなんだということです。


               ― 地蔵菩薩本願経 ―


「其の時普賢菩薩摩訶薩、地蔵菩薩に白して言さく、『願わくは未来現在の一切衆生の為に娑婆世界及び罪苦の受くる所の報処、地獄の名号、及び罪報等の事を説き給え』と。

地蔵答えて曰く『仁者、我今、仏の威神、及び大士の威神を承けて畧して地獄の名号、及び罪報、悪報の事を説かん。
仁者、閻浮提の東方に山有り、号して鉄圍(てっち)と云う。」

鉄圍山という山が霊界にあるわけなんです。

「其の山黒遂(すい)にして日月の光無し。大地獄有り、極無間と号す。」
鉄圍山は真っ暗で全くの光が無い。

「又地獄有り、大阿鼻と名付く。
又地獄有り、名付けて飛刀と云う。
又地獄有り、名付けて火箭(せん)と云う。
又地獄有り、名付けて來(らい)山と云う。
又地獄有り、名付けて通槍と云う。
又地獄有り、名付けて鉄車と云う。
又地獄有り、名付けて鉄床と云う。
又地獄有り、名付けて鉄衣と云う。
又地獄有り、名付けて千刄と云う。
又地獄有り、名付けて耕舌と云う。
又地獄有り、名付けて洋銅と云う。
又地獄有り、名付けて斬首と云う。
又地獄有り、名付けて流火と云う。
又地獄有り、名付けて燒脚と云う。

――― 又地獄有り、火象地獄、火狗地獄、脱皮地獄、飲血(おんけつ)地獄、燒手地獄、――― 是の如く等の地獄有り。

其の中各々又諸の小地獄有り。或は一、或は二、或は三、及至百千其の中の名号各々同じからず』と。

地蔵菩薩、普賢菩薩に告げて曰く、『仁者、是は皆これ南閻浮提の行悪の衆生の業感なり。是の如き業力甚だ大にして能く須弥に等しく巨海よりも深く、能く聖道を障う。(仏道を信仰する人)是の故に衆生、小悪と軽んじて以て罪無しとする事勿れ、死後に必ず報い有り。

繊毫も之を受く。父子至って親しけれども岐路格別なり。

たとい相逢うとも代りて是を受くる事能わず。
(たとえ親が我が子が地獄に落ちても代わってやることが出来ない)我今仏の滅力を承けて地獄の罪報の事を説かん。
願わくは仁者暫く是の語を聞き給え』と。

普賢答えて曰く、『吾久しく三悪道の報いを知る。以て望むらくは仁者説き給え、後世末法の一切悪行をして仁者の説を聞かしめて仏に帰せしめん』と。」


須弥というのは、これも霊界にある大きな山です。

親子があってもそれぞれに行いが違うから、死んで行くところが違う。

親が善いことをして死んだ。

子供が罪を積んであの世へ行ったとすると、親が子供を見て、あの子はあんなところへ行ってると、自分の子供が地獄へ落ちてるということを知った。
作品名:和尚さんの法話 「地獄」 作家名:みわ