りんごの情事
その夜。就寝前の來未のもとに一通のメールが来た。
本文：やっと携帯買ったんだな。部活で忙しくて、なかなかそっちには行けないけど、なんかあったらいつでも連絡くれ。話があったらいつでも聞くから。本当は会いたいけどな。
あぁ、やっと来た。來未はこのメールを待っていた。
來未は返信をするよりも先に、携帯電話を胸元に当て、ギュッと抱きしめた。ほんのちょっとの文章だったが、とても嬉しかった。ずっと今まで連絡が付かなかった相手と、やっと連絡が繋がったのだ。そして、相手はまだ自分のことを気にかけてくれている。
メールには『話があったらいつでも聞くから』とあるが、さすがにもうこんな時間だ。メールだけ返して、來未は眠りに着くことにした。
今日はマネージャーの手伝いとか色々あったが、なんだか幸せな気分で寝れそうだ。
題名：ありがとう
本文：メール返してくれてありがとう。また、連絡するね。今度、電話してもいいかな？
大崎も部活頑張ってね。おやすみ。