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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
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After Tragedy5~キュオネの祈り(後編)~

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キュオネの祈り【後編】1


「デメテル、大丈夫?」
さすがのキュオネも動揺が隠しきれないようで、デメテルの表情を不安げに見ている。

僕は下を向く。薄明かりの下、デメテルの頼りなさそうなシルエットが床に写る。その様子を見ると僕は酷い自己嫌悪に襲われた。カストルがデメテルに追い込むようなことを言った時に、本当はキュオネみたいに、間にはいっていくべきだった。それなのに、状況が掴めないからとただ僕は見ているだけだった。

知らなければいいのか。
気づかなければいいのか。
そんな事は無い。
それじゃ手遅れだ。

シー兄ちゃんが亡くなった時、酷く後悔をした。
あの時、僕は漠然と何かに違和感を持っていた。
あの時、僕は途中まで引き留めるつもりでいた。

なのに、結局はシー兄ちゃんを一人にし、死なせてしまった。

知らなかったのだからと、結果を受け入れるか?受け入れられる訳がない。

赤く濡れたシー兄ちゃんのシャツが脳裏に浮かんで、少し身体がぐらつく。若干、顔色が悪いのかも知れない。視界の端にある、キュオネの目がこちらを向くと、大きく見開き、不安げな色を見せる。

そのキュオネの様子を見て、僕は先日トイに彼女を子供と言ったことを反省した。