10番目の呪い
≪次は仕留める。死ね、宮田邦宏≫
だがイカさんは左手を上にあげると一本のペンが手のひらに飛んできた。しかもそれは姉の漫画用のペンで、どうやら忘れて言ったらしい。姉らしいよ。
≪そんなペンごときでこの数剣に勝てると思ってんのか!?≫
「それはどうかな死神もどき君」
まぁイカさんはギリシャの戦士らしいから、こんなもんペン一本で十分と言いたいのか?
と思ったらマジでペン一本ですべてはたき落した。
≪そんなバカな!≫
「これはただのペンではない」
イカさんは俺の体を親指で指さし
「こいつの姉の思いが詰まってる物だ」
俺の・・・姉ちゃん?
「宮田邦宏も聞いとけ、唯一お前らみたいな呪いに勝てる方法は(思い)だ」
俺の姉ちゃんの思い?あのしつこすぎる奴か?
「お前ら死神もどきはそんなものあるわけないよな!だがなこいつは姉に愛されてるんだ!」
(てことは姉はこのことを知ってたってことかよ?イカさん?)
「いやお前の姉の愛は本物だ。第一昔からそうじゃなかったか?」
(あぁそういえばな。毎日毎日おんなじくらいベタベタしてきたけど今となっては姉に感謝だな)
死神もどきは≪覚えてろよ≫と言い、去っていったようだ
そこでようやくイカさんとチェンジし、刃物を踏まないようにその場から去り、とりあえず家の中に姉のものがないか探しまわった。
もちろんイカさんは俺の中で待機中、手伝ってくれてもいいんだけどいつ死神もどきが来るか分かんないから俺の中にいるそうだ。
(そこの棚の中はないのか?)
「あるわけないじゃん、あそこは食器しかないから」
(なら姉の部屋に直接行くしかなさそうだな)
「ん?あぁ、でもあそこは殆ど俺の写真か漫画のネームしかないし、武器になるようなものなんて多分ないぞ?」
俺の姉は俺が好きすぎてどうやら部屋に写真を貼ってるそうだ。前チラッと見てしまってな、いつ隠し撮りしたのかってくらいの絶妙な写真しかなかったがな。
そして俺は姉の部屋へと向かっていく。