10番目の呪い
第二章「ペンは刃物より強し」
俺はただの高校生だ。昨日までは。
だが今日は違う、今はあのク●タイヤに右腕を引き裂かれ、左手一本状態である。
なのイカさんに応急処置してもらっている。ちなみにイカさん曰く、白いガス的なものは魂で
死神はその魂だけを切るそうだから実際は腕はくっ付いてるらしい。俺は見えんがな。
イカさんはその生身の体がないから紙の形をしてるそうだが、このことを「憑依」というらしい。ちなみに人にも憑依することができるらしい。シャーマン●ングかよ。
「トリアエズ応急処置ハ終ワッタ。コレカラハ気ヲ付ケルンダナ。死ニタクナカッタラナ」
「あぁサンキュイカさん!ところでいつまで紙の形でいるの?もうそろ別のに憑依しなよ?」
「ソウダナ・・・ナラオ前ニ憑依シテ良イカ?」
「なぜ?俺よりもっといいのがあるぜ?」
「イヤ、ソウ言ウコトジャナイ。オ前ノ中デ見守ッテイル。マァイザトナッタラ我ガ助ケルガ、ソレ以外ハ感知シ、オ前ニ伝エルコトクライダナ」
わかったと承諾し、イカさんは俺の中に入ってくる。感覚としては寒い日に風呂にはいるような感じ?
(くだらんことを考えるな!)
あれ?今すごく日本語の発音が良いイカさんの声がしたが?
(いいから次の死神が来るぞ!)
その時、キッチンから包丁が擦れ合う音がしたと同時に刃物が俺めがけて一斉に飛んできた。
(ここは我に任せろ!)
イカさんは俺の体を乗っ取り、すばやく左右に避けていく。
「死神風情が・・・我の前に現れるな!」
若干中2臭いセリフは、あいつらにどういう影響をもたらすのか知りたいね。つーか俺の体でカッコつけんのやめてくれます?恥ずかしいんで。
≪吾輩は死神なのではない≫
何もない空間から男か女かわからない声が聞こえてくる。
「死神でなかろうと我らの前に立ちふさがるな!しかもお前が殺そうとしてるのは純粋な子供だぞ!」
家の周りを見渡しても何もいない。あるのは宙に浮いている刃物だけ。
≪関係ない。吾輩はその魂を殺し、マスターの居る地獄へ落とせればいいのだ≫
次の瞬間刃物が一斉に俺の方に向きを変え、一直線に向かってくる。