ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.
光のような、一瞬で到達できるような速さで。
……頼む!!
※光る音
パア――――――ッ!!
【光大】「!」
※画面が一瞬白くなり、CGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 靴、光る 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【光大】「く、靴が……」
念じた途端、靴が、白く光り出した!
これは一体なんだ。
【火奄】「グオオオオオオ!!」
靴に驚く暇もなく、火奄が俺の目の前に……!
【光大】「うおおおおっ!」
俺はまた横っ飛び躱す……。
その瞬間!
※画面が一瞬白くなり、CGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 光大、光りに包まれる 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※光に包み込まれる音
【乙愛】「光大!?」
俺は白い光に包まれる。
目の前が真っ白になる。
※光が不規則に移動する音
ヒュン、ヒュン、ヒュ―――――ン!!
【乙愛】「……」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 全景 青紫色の空間
【光大】「うっ……」
光が消え、俺はどこかに連れてこられた。
景色が青紫色。ということは、まだ決着はついていない。
だけど、景色が動いて見える。
※ボロボロの乙愛の立ち絵を表示。叫ぶ
【乙愛】「コータ――っ! とどめを刺せ―――っ!」
【光大】「乙愛の声……?」
※ボロボロの乙愛の立ち絵を表示しない
しかし、小さく聞こえる。遠くまで離れているのか?
※ボロボロの乙愛の立ち絵を表示。叫ぶ
【乙愛】「しっかりしろ―――っ! おまえは今、火奄に乗っている―――っ!!」
※ボロボロの乙愛の立ち絵を表示しない
【光大】「ええっ!?」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 光大、龍の頭上へ 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
そういえば、左右に二本の角があるし、紅く光る鱗……。
間違いない、俺は火奄の頭上にいる!
二度目の奇跡が起こったのだ。
【光大】「ありがとう……じいちゃん」
火奄は俺を見失い、中空をうろうろしている。
決着の時だ!
※画面が白くなる
■画面が白い
【光大】「うおおおおおおおおっ!!」
※突き刺す音
ズギャ――――――――ン!!
※立ち絵を表示しない
【火奄】「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!」
※フェードイン(すぐに次のCGになる)
■空間の狭間(インタスティス) 全体がが紫へと変色する火奄 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
紅き龍の断末魔が響く。
火奄はたちまち、全身が紫へと変わり、
※画面がピカピカと光り、すぐにCGが切り替わるする。
■空間の狭間(インタスティス) 爆発する火奄 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※火奄が爆発する音
※画面が激しく上下に揺れる
ドォオオオオオオオオオオン!!
爆散し、たくさん紫色の粒子――ポルターガイストの魂だろうか、それらこの空間の彼方へと消えていった。
これで、ようやく戦いは終わった……。
※フェードアウト
■空間の狭間(インタスティス) 空中にいる光大 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※フェードイン
【光大】「……ん?」
え……?
あれ……?
俺、まさか空中にいる?
ということ……は――。
※フェードアウト(さっと暗くなる)
■画面が暗い
※落ちる音
【光大】「うわああああああっ!!」
地上へまっさかさま。
ああ、このままぶっ倒れるのか……。
※フェードイン(さっと次のCGを表示)
■空間の狭間(インタスティス) 光大、リストバンドの力で綺麗に着地 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※風の音
【光大】「へ?」
地面につく直前、風が俺をふわふわと浮かせる。
そして、そのまま綺麗に着地。
【光大】「おおぅ……」
最後まで、助けられたな。
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 剣が粒子となって、白い球体に吸い込まれる 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【光大】「あっ、剣が……」
役目を果たしたのか、剣は粒子となって白い球体に吸い込まれ、ポルターガイストが見えるサークルも消え、空間はもとの暗い紫色の、無機質な空間へと戻った。
※クロスフェード
■空間の狭間(インタスティス) 光大、白い球体を撫でる 黒紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【光大】「ありがとう」
俺はそっと、白い球体を撫でた。
※横ワイプ(さっと暗くなる)
■空間の狭間(インタスティス) 全景 黒紫色の空間
※横ワイプ(さっと表示)
※ボロボロの乙愛の立ち絵を表示。喜ぶ
【乙愛】「コーターッ!」
※ボロボロの乙愛の立ち絵を表示しない
※走る音
乙愛が走ってくる。
俺は喜びを爆発させる。
【光大】「乙愛、俺、やった――」
※フェードアウト
■画面が暗い
※画面が横に揺れる
ガバッ!
【光大】「!?」
※フェードイン(さっと表示)
■間の狭間(インタスティス) 涙を零しながら光大を抱きしめる乙愛 紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
……。
【光大】「お、おおお、お、乙愛、さん……これは、一体……」
な、何、このシチュエーション……。
カエにも、されたことがないから、ど、どうすれば、いいんだ。
普通に接すれば、いいのか? 普通って、ど、どんな風に、だっけ?
頭が混乱する。
【乙愛】「バカ!」
胸元に、大きな息の塊が当たる。
【光大】「え?」
【乙愛】「無茶ばっかりして……どれだけ心配したか……」
【光大】「お、おまえに言われたくねぇよ。おまえの方こそ、走ってこっちまで来たけど、痛くないのか……?」
【乙愛】「さっきまで痛かった……だけど、コータが無事で、私の分まで戦って、火奄を倒してくれたから、痛くない」
【光大】「……乙愛」
まったく、やせ我慢しやがって。でも、悪くは、ない。
普通に、嬉しい。
乙愛はぎゅっと俺の背中を掴む。
【乙愛】「ありがとう……守ってくれて。……そして、生きていてくれて……バカぁ……」
【乙愛】「うっ……ううっ……」
作品名:ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer. 作家名:永山あゆむ