ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.
俺は後ろにいる乙愛に声をかける。
【乙愛】「なんだ」
【光大】「俺が、お前の代わりにやってやるよ」
俺は浮かんでいる火奄に剣を向ける。
【光大】「この剣で、おまえを倒し、乙愛と宮島を守って見せる!」
※フェードアウト(さっと暗くなる)
■空間の狭間(インタスティス) ボロボロの全景 青紫色の空間
※フェードイン(さっと表示)
※画面が上下に揺れる
※火奄の立ち絵を表示。咆哮
【火奄】「グウォォォォォォォ!」
それが始まりの合図だった。
火奄が俺に向かって、口から火炎放射を吐く。
※火奄の立ち絵表示しない
※炎を吐く音
ゴオオオオオオ!!
【乙愛】「光大!」
【光大】「うおおっと!」
【光大】「さて、ここからどうする」
このまま突撃するか、それとも周囲を回るか……。
【光大】「よし、このまま突撃だ!」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 火奄に突撃する光大 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【火奄】「グウオオオオオオ!」
※火炎弾が落下する音
雨のように火炎弾が落ちる中を、走っていく。
【光大】「うおおおおおおっ!!」
火炎弾の起動を読み、火奄との間合いを詰める。
【火奄】「グワアアアアアア!」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 四発の火炎弾、光大を襲う 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
火奄は飛び上がり、空中に浮かぶ火炎弾四発を一斉に落とす。
四発の火炎弾はそれぞれ軌道は違うが、全て俺に向かっている。
逃げ道を作らせないつもりだ。
【光大】「くっ!」
このままではやられる。剣でガードを――。
【光大】「ん?」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 光出す剣 青紫色の空間
突然、剣が光りを放つ。
何かの合図なのだろうか。
【光大】「試してみる価値は、ありそうだな」
よし。
俺は剣を構え、四発の火炎弾に迎え撃つ。
【光大】「はああああああっ!!」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 白い刃の衝撃波、出現 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※衝撃波が飛ぶ音
【光大】「!」
剣を勢いよく横払いした瞬間、振った圧力から生まれた、白い刃の形をした大きな衝撃波となり、火炎弾に向かって飛んでいく!
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 白い刃の衝撃波、火炎弾を砕く 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※画面が上下に揺れる
※爆発する音
ドカ―――――――――ン!
衝撃波は四発火炎弾を一斉に破壊した。
火炎弾は火の粉となって弱々しく落ちていく。
【光大】「マジかよ……」
俺は光る剣を見つめる。
まさか自分が、ゲームや漫画にでてくるような技を使えるなんて。
でも、これなら。
【火奄】「グウオオオオオオ!」
【光大】「……!」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 光大を狙う、たくさんの火炎弾 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
第二派の火炎弾が、俺を狙ってくる。
【光大】「隙をあたえないってか!」
俺は剣を構える。
さっきと同じ要領で、また飛ばせるはずだ!
【光大】「くらえぇぇぇっ!」
思い切り剣を横に払い、再び衝撃波を飛ばす。
※衝撃波の音同時にすぐにCGが切り替わる。
■空間の狭間(インタスティス) 白い刃の衝撃波、火炎弾を砕く 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※画面が上下に揺れる
※爆発する音
衝撃波により、火炎弾は再び爆散する。
【光大】「よし! このまま」
※すぐにCGが切り替わる。
■空間の狭間(インタスティス) 光大、連続白い刃の衝撃波を火奄に放ち続ける 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【光大】「いっけえええええ、光牙(こうが)――――――っ!!」
※衝撃波を何度も飛ばす音
隙を与えないように、俺はひたすら火奄に向かって衝撃波を放ち続けた。
※衝撃波がぶつかる音
【火奄】「ギャアアアアアアッ!!」
断末魔の叫びが空間全体に響き渡る。ひとつひとつの刃が致命傷を与える。
【火奄】「グ……ガ……ガ、ガ……」
※フェードアウト
■画面が暗くなる
多くの衝撃波を受けた火奄は、飛ぶ力を失い、
※画面が上限に揺れる。
ズド――――――ン!!
※フェードイン(すぐに次のCGを表示)
■空間の狭間(インタスティス) 落下する火奄 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【火奄】「グウウウウ……」
【光大】「はあ……はあ……」
火奄は弱った声で俺を見つめる。
ズタズタにされ、包んでいる炎のオーラが消えかけている。
【光大】「やった……か」
【火奄】「グウウウウ……」
よし、これでトドメをさせば……。
【乙愛】「光大! まだ終わってないぞ!」
【光大】「え?」
※フェードアウト
■画面が暗い
※立ち絵を表示しない
【火奄】「グウオオオオオオオオオッ!!」
【光大】「うわあああっ!」
※フェードイン(次のCGに切り替わる)
■空間の狭間(インタスティス) 突進する火奄 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※突進する音
最後の力を振り絞るかのように、俺に向かって縦横無尽に突進してくる。
さては俺を飲み込もうとする気か!?
【火奄】「グウオオオオオオ!!」
【光大】「うおおっと! あぶねぇー」
もう少しで龍の胃袋に入るところだった。
なんという速さなんだよ。
避けるだけで精一杯だ。あいつが倒れるまで待つしかないのか。
それだと、俺が不利だ。
【乙愛】「光大! 頭に乗れぇー!」
乙愛のアドバイスが聞こえる。
【光大】「ああ。俺もそれを考えてた……けど!」
【火奄】「グオオオオオオ!!」
横っ飛びで躱して、
【光大】「速すぎて、無理だよ! うおっと!!」
いかん、このままだと胃の中に入るのも時間の問題だ。
ゲームや小説みたいに、一瞬で移動できれば……!
そんな、奇跡が起きれば。
【光大】(じいちゃん……)
頼む。俺のリストバンド。俺を、火奄の頭の上に乗せてくれ!
作品名:ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer. 作家名:永山あゆむ