ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.
【乙愛】「いつまでも、逃げてばかりじゃないんだよ!」
乙愛はボウガンで狙いを定め、
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 乙姫、必殺技を発動 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【乙愛】「降り注げ! 大矢雨(レインアロー)!!」
ボウガンから放たれる無数の青い矢が火奄を襲う。
【火奄】「ギャアアアアアアッ!」
【光大】「おお……」
効いている。
あの武器は、こいつらのための武器でもあるのか。
【火奄】「ギャアアアアアアッ!」
龍の悲鳴が響き渡る。火奄は仰向けになり、
※画面が上下に揺れる
※墜落する音
ズド――――――ン!!
※横ワイプ(さっと暗くなる)
■空間の狭間(インタスティス) 全景 青紫色の空間
※横ワイプ(さっと表示)
※乙愛の立ち絵を表示。真剣
【乙愛】「ふう……」
乙愛は倒れている火奄を冷静に見つめる。
あのゲームに出てくるような必殺技は一体……。
【光大】「な、なあ、あの技って……」
※乙愛、真剣
【乙愛】「あれか? ……ポルターガイストは負の粒子であるジャームからできたアヤカシだろ?」
【光大】「ああ」
※乙愛、考え込む
【乙愛】「ということはだな、相対関係である正の力――この地球を構成する粒子である、源粒子(エルクル)をぶつける必要があるのだ」
※乙愛、真剣
【乙愛】「つまり、さっきの技は水の粒子を武具に取り込み、武具にあった形で照射したというわけだ」
【光大】「へ、へぇー」
分かったようで、分からないような。
地球を構成する粒子の名前といい、必殺技といい、どうも現実離れしすぎのような気もするが。
※乙愛の立ち絵を表示しない
※火奄の立ち絵を表示する。見つめる
【火奄】「グルルル……」
【光大】「……乙愛!」
※乙愛の立ち絵を表示。叫ぶ
【乙愛】「分かってる!」
火奄がまた上空へと飛び立つ。
※横ワイプ(さっと暗くなる)
■空間の狭間(インタスティス) 火奄、火弾乱舞! 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※横ワイプ(さっと明るくなる)
※画面が前後に揺れる(奥に行ったり戻ったりする)
【火奄】「ガアアアアアアッ!」
火奄が咆えた瞬間、無数の火炎弾が現れ、雨のように降らしてくる。
【光大】「くっ! 容赦ない攻撃をしやがって!」
口から、そして、両手からもどんどん火炎弾を飛ばしてくる!
何とか避けていくが、
【光大】「!」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 火炎弾、光大に向かって落下 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
火炎弾が俺の目の前に!
こんな至近距離では、避けきれない。
【光大】「うわあああああっ!!」
死んでしまう!
【乙愛】「はああああああっ!!」
そのとき、乙愛がこちらに向かって投げる構えを見せる。
【乙愛】「振盾(プロテクション)!!」
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 振盾(プロテクション)、起動 青紫色の空間
※防御壁と火炎弾がぶつかり合う音
※画面が上下に揺れる
バリバリバリ!
【光大】「うわあっ」
思わず尻餅をついてしまう。
乙愛の投げたそれは、何かを展開し、火炎弾とぶつかり合う。
火炎弾は何かに弾き飛ばされ、飛んでくる火炎弾と爆散する。
※横ワイプ(さっと暗くなる)
■空間の狭間(インタスティス) 小さな六角形の装置 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※横ワイプ(さっと表示する)
【光大】「た、助かった……ん?」
カラカランと足元に六角形の小さな装置が落ちる。
まさかこれが……。
俺は、乙愛の方へと顔を向ける。
※横ワイプ(さっと暗くなる)
■空間の狭間(インタスティス) 全景 青紫色の空間
※横ワイプ(さっと表示する)
※乙愛の立ち絵を表示。真剣
【乙愛】「持て! それはあらゆる飛び道具を跳ね返す機械だ」
【光大】「あ、ああ」
※乙愛の立ち絵を表示しない
俺は装置を取り、真上に落ちてくる火炎弾に向かって掲げる。
※火炎弾が弾かれる音
※画面が上下に揺れる
バチ―――――ン!
ほんとだ。
俺の周りに透明な防御壁が火炎弾を次々と弾き返す。
【光大】「すげえ……」
戦闘中なのに、思わず未来の技術力に感服してしまう。
しかし、これを持っていない乙愛は、どうなんだ?
【光大】「乙愛!」
※立ち絵を表示しない
【乙愛】「問題ない!」
※矢を連射する音
彼女は火炎弾を避けながら青く光った矢――先ほどの必殺技ではないが、水を含んだ矢を連射している。
彼女が矢を発射する度に、火奄がひるんでいる。
しかし、
【光大】「危ない!」
※立ち絵を表示しない
【乙愛】「……だから問題ないと言っているだろう」
落ちてくる火炎弾に向かって、武器を構える。
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 水壁で火を打ち消す乙愛 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【乙愛】「水壁(みずかべ)!」
※矢を発射する音
矢を放った瞬間、大きな水の泡に変形し、火炎弾を包み込む。
火炎弾はたちまち蒸発し、鎮火する。
※フェードアウト(さっと暗くなる)
■空間の狭間(インタスティス) 全景 青紫色の空間
※フェードイン(さっと表示する)
※乙愛の立ち絵を表示。微笑む
【乙愛】「……」
※乙愛の立ち絵を表示しない
彼女は黙ったまま薄く微笑む。「大丈夫だ」と言っているみたいだった。
再び火奄に向かってボウガンを連射する。
避けては連射の繰り返しで、火奄にも確実にダメージを与えている。
このまま耐えれば、もしかしたら……。
と思ったそのとき!
※すぐにCGが切り替わる
■空間の狭間(インタスティス) 火奄、炎を纏った尻尾で襲う 青紫色の空間
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
【火奄】「ガアアアアアアアッ!」
【乙愛】「!」
【光大】「!」
火奄は尻尾に炎を纏い、炎撃(えんげき)とともに勢いよく振る!
火炎弾にとらわれすぎて、避けることができない!
やばい!
※炎撃の音
ゴオオオオオオ―――――――ッ!!
※テキストを二つ同時に表示
【乙愛】「きゃああああああっ!」
【光大】「うわああああああっ!」
作品名:ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer. 作家名:永山あゆむ