ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.
※共通ルート※
■宮島 光大の家 居間 夕方
【光大】「……ということは、俺たちの時代で、政府の奴らが『未来技術推進計画』が進むと……」
※乙愛の立ち絵を表示。驚く
【乙愛】「……やはりそうか!」
【光大】「じゃあ……」
※乙愛、真剣
【乙愛】「ああ。私の時代では、その計画のひとつ盛り込まれた『未来科学研究基地』化が完成している。政府の奴らの戯言が、あのような惨状を招いてしまった」
【光大】「!」
※乙愛、悔しい
【乙愛】「もちろん対応はしたさ。街の住民を避難させる義務とこの島の守る責務は、国から要請を受けた責任はあったからな」
【乙愛】「私たちは政府と各研究基地から支援を受けて、この問題に取り組んだ。だけど……」
※乙愛、悔しい
【乙愛】「ここに向かう前日、政府は宮島と私たちを捨てたんだ! 宮島の歴史も私たちがいることも、全てなかったことに!」
【光大】「なんだって!」
驚くべき事実に、背中から電撃が走る。
※乙愛、悔しい
【乙愛】「もちろん、私たちや各研究基地の者たちも裏では必死に取り組んでいる。だけど……」
【光大】「だけど、解決の糸口はなかなか見つからなかった……」
※乙愛、悔しい
【乙愛】「……ああ」
思いつめた表情で、俯く乙愛。
※乙愛、悲しい
【乙愛】「もう5年も経つが、あのアヤカシども――ポルターガイストを倒す術は見つかったが、肝心の噴出源が分からないのだ。あらゆる科学技術を駆使してもな」
【光大】「だから、ここに来たということか。そのポルターガイスト? とかを生み出す原因を時間を巻き戻して探すと」
※乙愛、真剣
【乙愛】「そうだ。未来のためにポルターガイストを生み出す、ジャームの噴出と政府の計画の関係性を調べるために、これで時を超えてきたのだ」
乙愛は左腕に装着している、機械仕掛けむき出しの時計を見せた。これで、俺のいる時代まで来たのだろう。
未来の技術は本当に漫画やアニメでしかできなかったことができているんだな。
【光大】「ん? ちょっと待てよ。今さらだが、あの風を巻き起こしていたヤツも」
※乙愛、考え込む
【乙愛】「カマイタチのことか?」
【光大】「うん」
※乙愛、真剣
【乙愛】「そうだ。あれもポルターガイスト……」
※乙愛、驚く
【乙愛】「そうか! ……ということは、この時代にも少なからず、どこかでジャームが噴出している可能性が……」
【光大】「そ、それってやばいんじゃ……」
そう思っていた時、
※ドアチャイムの音
――ピポ、ピポ、ピンポーン!
今の時代には合わない、ドアチャイムの音が鳴り響く。
【光大】「誰だよ、慌ててインターホンを押すのは。ちょっと待って」
※乙愛、通常
【乙愛】「ああ」
※乙愛の立ち絵を表示しない
※フェードアウト
■宮島 光大の家 玄関 夏 夕方
※引き戸を開ける開ける音
ガラガラガラ!
※葦貴(私服を着ている)の立ち絵を表示、バテている
【葦貴】「こ……コウ!」
【光大】「よっしー!」
ドアチャイムを何度も鳴らしたのは、よっしーこと清水葦貴だった。
ものすごい汗の量だ。急いでこちらに向かったのだろう。
【光大】「どうしたんだよ、そんなに慌てて……」
※葦貴、慌てる
【葦貴】「た、大変なんだ!!」
【光大】「大変って、何がだよ」
※葦貴、慌てる
【葦貴】「カエちゃんに用事があって、杉の浦の団地に向かおうとしたら……団地が炎に包まれていて……」
※葦貴の立ち絵を表示しない
※二人同時にテキストを表示(乙愛の立ち絵は表示しない)
【光大】「なんだって!」
【乙愛】「なんだと!?」
俺たちのやりとりを訊いていた乙愛が、割って入る。
※横ワイプ(さっと暗くなる)
■宮島 光大の家 玄関 乙愛、葦貴の胸倉をつかむ 夏 夕方
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
※横ワイプ(さっと表示)
【乙愛】「それで今、どんな状況なんだ!?」
興奮気味に、よっしーの顔を覗く。
迫る彼女にたじろぎながら、よっしーは俺の方に顔を向ける。
【葦貴】「……こ、コウ。この人、誰?」
【乙愛】「説明する暇はない! 早く教えろ!!」
【葦貴】「うわあぁぁあっ!」
乙愛は胸倉を掴み、葦貴の図太い体を揺さぶる。
【葦貴】「分かった、わかったからーっ!」
【光大】「ああ、もう! 落ち着け、乙愛! そんなことしても、進展しないぞ」
【乙愛】「……!」
※横ワイプ(さっと暗くなる)
■宮島 光大の家 玄関 夏 夕方
※横ワイプ(さっと表示)
※乙愛の立ち絵を表示。恥ずかしい
【乙愛】「す、すまない、つい……」
※葦貴の立ち絵を表示する。呆れる
【葦貴】「た、たすかった……」
※葦貴、乙愛の立ち絵を表示しない。
【光大】「まったく」
なんで面倒くさいことを俺がしないといけないんだよ……。
それはいいとして。
【光大】「で、状況は?」
俺は冷静に、よっしーに訊ねる。
※葦貴の立ち絵を表示。怖い
【葦貴】「……な、何もない空から突然、火の粉が落ちてきたんだ。すると、団地の様々な家に燃え移って……」
※乙愛の立ち絵を表示。驚く
【光大・乙愛】「!」
【光大】「乙愛……これってまさか……」
※乙愛、真剣
【乙愛】「先に行く!」
【光大】「え?」
※さっと次のCGを表示
■宮島 光大の家 玄関 夏 夕方
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
乙愛が強引に外に出て、走っていく。
【光大】「ちょ……乙愛!」
俺が外を見たとき、彼女の姿はなかった。
※横ワイプ(さっと暗転)
■宮島 光大の家 玄関 夏 夕方
※横ワイプ(さっと表示)
【光大】「あ〜もう! 少しは落ち着けっつーの! ていうか、団地の場所はわかってんのか、あいつ」
※葦貴の立ち絵を表示。慌てる
【葦貴】「コウ、どうするの?」
【光大】「どうするもこうするも、カエもあいつも心配だから……めんどっちいけど、行くしかねぇだろ! ちょっと待ってろ!」
※葦貴、通常
【葦貴】「う、うん」
俺はすぐさま2階へ駆け上がり、自分の部屋に入る。
※フェードアウト(さっと暗くなる)
■宮島 光大の家2階 光大の部屋 夏 夕方
※フェードイン(さっと表示)
※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない
俺の部屋。
海側の窓からは、夕日が差し込んでおり、机やベットを照らしている。
……と、そんな悠長にしている場合ではない。
【光大】「恐らく、乙愛が言っていたポルターガイストとやらの仕業に違いない。念のため、俺も武器を持っておかないと」
作品名:ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer. 作家名:永山あゆむ