小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ヘリテイジ・セイヴァ―ズ ノベルゲームシナリオVer.

INDEX|13ページ/36ページ|

次のページ前のページ
 

   俺の目の前に、黒のネクタイを締めた、高級そうな焦げ茶色のコートを羽織り、華奢な体にピッタリのタイトスカートを穿いた、尻まで届く長い黒髪の女性がいた。
   どことなく学者か研究者っぽい容姿で、歳も俺よりも3歳年上に見える。

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■宮島 宮島水族館跡 夏 昼 

   ※横ワイプ(さっと表示)

   さっきの光は、夢じゃない……?
   いやいやいや、普通、こんなことはありえない。夢に決まってる。
   念のため腫れてしまった左の頬を触る。

【光大】(痛っ……)

   ……夢じゃない。
   女性は髪をかきあげ、左腕にある、時計らしきものに目を向ける。

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示。通常

【謎の女性】「無事に着いたようだな」
【光大】「あ、あんた」

 ※謎の女性(乙愛)、真剣

【謎の女性】「ん?」

   ようやく俺の存在に気づく。

   ※謎の女性(乙愛)、驚く

【謎の女性】「……おっと、人がいたのか、すまないな、驚かせて」
【光大】「あの光からでてきたのは、あんたなのか……?」

   ※謎の女性(乙愛)、真剣

【謎の女性】「そうだ」

   ……。
   平然とした顔で、答えやがって。
   こっちはものすごくびっくりしているっつーのに。
   こんなことが現実に起こるはずがない。しかし、彼女がいることは紛れもない現実。俺はゲーム世界に行ったのか!? わけがわかんねぇ!!

【光大】「じゃあ、あんたは……あんたは、ゲーム世界の住人なのか!?」

   自分でも突拍子もないことを言ってしまったと思う。
   だけど、訊ねる言葉がそれしか浮かばなかった。

   ※謎の女性(乙愛)、不満

【謎の女性】「はぁ? 何を言っているのだ。私を非現実世界の玩具の中に入れるとは、少々、度が過ぎやしないか?」
【光大】「いやいや、十分、非現実的……」

   すると、女性の人差し指が口元に……。

【光大】「! な、なんだよ……」

   ※謎の女性(乙愛)、真剣

【謎の女性】「静かにしろって意味。妙な気配を感じないか?」
【光大】「妙な気配……?」

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示しない
   ※風の音

   ヒュッ、ヒュ――――――ン、ヒュッ、ヒュ――――――ン!

   この規則正しい風の吹き方は……。
   学校でのテンポとは違うが、まさか後ろに?

【光大】「!」

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■宮島 宮島水族館跡 風の塊、再び 夏 昼

   ※横ワイプ(さっと表示)
   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない

【光大】「またかよ!?」

   学校でも現れた、竜巻のようにぐるぐる回っているおかしな小さい風の塊が。
   どうやら、あの風がこの規則正しい風を吹かしているのだろう。

【謎の女性】「ふむ……」

   女性は、右腕の白いリストバンドを見つめる。

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■宮島 宮島水族館跡 リストバンド、青く光る 夏 昼

   ※横ワイプ(さっと表示)
   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない

   白いリストバンドに埋め込まれている、青い球体が光り出している。

【光大】「な、なんだよこれ……」
【謎の女性】「ふむ。試す価値がありそうだな」

   ※すぐにCGが切り替わる

■宮島 宮島水族館跡 夏 昼 

【光大】「な、何を……?」

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示。真剣

【謎の女性】「……」

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示しない
   女性は俺の質問をスルーして、風の塊と対峙する。

【光大】「お、おい! あの風と勝負する気なのか!? 風に巻き上げられて、スカートがめくられ……って、あんたのはタイトだから、そんなことはないか。でも、人間には別に何とも……」

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示。真剣

【謎の女性】「だからこそ、倒さないといけないのだ」
【光大】「え? 何でだよ?」

   ※謎の女性(乙愛)、不満

【謎の女性】「いいから、黙って見てろ」

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示しない

   女性は静かに右腕を突きだした。
   今から何をやろうっていうんだ。あのリストバンドに何かからくりでも?
   彼女は、ふう、一息つき、そして――、

   ※すぐにCGが切り替わる

■宮島 宮島水族館跡 謎の女性(乙愛)、呪文を唱える 夏 昼 

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない

【謎の女性】「異霊空間(コンファインド・スペース)、展開(アンフォールド)!!」
【光大】「!?」

   ※フェードアウト(さっと暗くなる)

■画面が暗い

   ※展開する音

   バン!!

【光大】「!」

   ※フェードイン(さっと次のCGに切り替わる)

■宮島 宮島水族館跡 夏 昼 背景が青紫色

   女性が奇妙な呪文を言った瞬間、彼女を中心に青紫の空間が広がる。自然も、建物も、道も、全てが。
   一体、何をしたんだ?

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示。真剣

【謎の女性】「いたぞ」

   え?
   風の塊が……。

   ※すぐにCGが切り替わる

■宮島 宮島水族館跡 モンスター、出現 夏 昼 背景が青紫色

   ※このシーンはCGで表現するため、立ち絵を表示しない

【光大】「んなっ!?」

   なんなんだよコイツ。
   塊が……モンスター化!?
   全身緑色の、一本角の生えた、ツルピカ頭の小さな子供が雲に乗っている。見た目はいたずら小僧だが、昨日、よっしーと深夜までプレイした、次々と現れる妖怪どもを倒すゲーム、『妖怪無双』のキャラと。

   ※横ワイプ(さっと暗くなる)

■宮島 宮島水族館跡 夏 昼 背景が青紫色

   ※横ワイプ(さっと表示)

   ※???(カマイタチ)の立ち絵を表示。いたずら顔

【???】「キキキッ」

   緑のモンスターは、いたずらっぽい笑みを浮かべて俺たちを見やる。
   あの風、こいつの仕業なのか?

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示、真剣

【謎の女性】「ふむ。風の超常異霊(ポルターガイスト)、カマイタチ。女ばかりを狙う、破廉恥小僧、か」

   驚く俺とは対照的に、冷静にそのモンスターっぽいものの素性を分析する。

【光大】「ポ、ポる……? なんだよ、それ。というか、何で、あんなゲームに出てくるモンスターが……」

   ※謎の女性(乙愛)、真剣

【謎の女性】「すまんが、それは後だ!」

   女性は再び右腕を突きだす。そして、

   ※謎の女性(乙愛)、叫ぶ

【謎の女性】「具現化せよ、対霊武器(バスターウェポン)!」
【光大】「バ、バスター……?」

   ※謎の女性(乙愛)の立ち絵を表示しない
   ※光る音

   すると、リストバンドの青い球体が強く光り出す。

   ※フェードアウト(さっと暗くなる)