夏の陽射し
始動?
翌日、キャプテンに呼ばれて3年生の校舎にやってきた。
「ここが3年の校舎か。何か、歴史を感じるな・・・」
壁には歴代の3年生たちが書いたであろう落書きが壁を埋め尽くしている。
なかには昭和○年と書かれているものもあるから驚きだ。
「おう、渡辺。やっと来たか。1分遅刻。ジュース奢れな。」
「え?マジですか?」
「先輩の呼び出しに遅刻してくる1年坊主なんてな。」
キャプテンは意地悪そうに笑いながら言った。
「すいませんでした。」
「いいよ、1分位気にしない。まあ、あと10秒で2分だったけどな。」
・・・この先輩は、ずっと時計見てたのか?
俺は呆れながら要件を聞く。
「それで、用っていうのはなんですか?」
「ああ、お前に背番号入りのユニフォームを渡したくてな。」
「・・・・・・は?」
「クックック。お前の反応、面白いな。」
「いや、え?どういうことですか?」
「昨日の内容を見たら、2・3年も文句は言わないだろう。」
「いや、だってめった打ちでしたよ?」
「投手経験のない奴で、あれだけの期間であそこまで成長されたら、俺だって背番号をあげたくなるさ。」
そう言うと、キャプテンは机からユニフォームを手渡す。
「あれ?これ3枚ありますけど・・・」
「1枚はお前のだ。あとの2枚は、庄司と結城だ。」
「ほんとですか!!??ありがとうございます!!」
「ああ、本当だよ。でも・・・お前自分の時より嬉しがってないか?」
「え?本当ですか?」
「ああ、本当にお前は面白い奴だな。」
1年生の校舎に戻ると、俺は結城と勇太にユニフォームを手渡す。
「うえええ!!!??マジで!?」
二人の反応は俺のツボにハマる。
めでたく?俺たちは背番号をもらい、ついに物語は夏の大会へと向かう。