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アインシュタイン・ハイツ 302号室 藤井祐一

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 尾形はそのまま暗いオーラを放ちながら、自分の席へと去っていく。
「あいつ、ホントに大丈夫か…?」
「大丈夫だよ、悪い子じゃないから」
 平家に宥められつつ尾形の背中を見送る中、一人、廊下からこちらを覗いていた少年がその場を立ち去る姿を祐一は目撃した。
 中肉中背。
 制服の襟につけられた校章や、上履きの学年色からして、一年生の男子だ。
(こっちを、見ていた?)
 その視線の先に有ったのが祐一なのか、平田なのか、平家、或いは尾形なのか。
 まぁ、ほぼ間違いなく自分以外であろうことは間違いなかったが、その視線の存在だけが、妙に祐一の心に引っ掛かった。