死人
だが、僕は姉弟だから、姉の顔をよく知っている。
どう見ても、それは姉の写真だった。
でもおかしいと、僕は言った。
「普通事故があったら警察ぐらい来るはずだ」
「来てないのか?」
当然来ていない。
僕が気づかなかっただけなのだろうか。
そんな筈は、ない。
僕の家に居ない間に来ていたとしても、そのことを父や母から聞いている筈だった。
いや、そもそも。
「何度も言うけど、今日も僕は姉を見てるんだぜ?おかしいじゃないか」
「それこそ幻覚じゃないのか」
「そんなに都合よく幻覚が見えるわけないだろ」
「幻覚じゃないなら――」
それは化物と言うしか無いよ。