死人
近くのコンビニを目指す。とりあえずのゴール。ひと安心できる場所。
きっといつもより早足になっている。
だんだん近づく。
その時、向こうからも誰かが歩いてくるのが見えた。いくら人気のない場所でも、コンビニの周りとなると、やはり人が居るものなのだろう。
その人影が、コンビニの蛍光灯に照らされて、徐々に立体感を得ていく。
そして女性だとわかった。
その瞬間人影の全てが鮮明になった。
それは、姉だった。
息が詰まりそうだった。
喉からわずかに漏れ出た空気が、格好悪い音を発した。
僕は、いつの間にか歩くのもやめている。
向こうはこちらに気付いたらしい。
若干の早足でこちらに近づいてくる。
もう目の前だ。