死人
「お前のお姉さんが化物かどうか、確かめてみるのも有りだけど、別に何もしないってのも十分有りな手だと思うな。下手に手を出すのは、良くないような気もするし」
「まあそうなんだけど」
怖いのに変わりはないんだよなあ。
「これが知り合いとか友達とかなら、会わなきゃ済む話なんだけどな」
姉だからなあと、僕は呟いた。
「人間じゃないなら、逃げても無駄かもよ」
と、彼は半分からかうように言った。
姉弟なら何もされないとも限らないのだが、赤の他人であるよりは、まだ安全なのかも知れない。
「この写真の女がお前のお姉さんと決まったわけじゃないんだし、もう少し様子見しようぜ。何もないなら、それはそれで良いわけだしさ」