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その子は春のほうに顔を向ける。
「たしかに君はおじいさんにまかせられてこの桜を傷つけたくないと思っ
てるよね?でもね、そういうことでまかせたんじゃないと思うな」
「じゃ、じゃあどういうこと?」
「それはね、誰もが心揺るがす綺麗な桜にしてほしいんだと思うよ?たし
かに君が桜を守っているのは良いことだけど・・・それはまた別の事で守
ッてほしいんだと思うな」
「べつの事?」
「そうだね。たとえばこの桜を悪いように使ってやるぞ〜みたいなね」
「そんなことする奴オイラがボッコボコにしてやる」
いつの間にその子から涙が消えていた。
「うんうん。じゃあこの桜の事は君に任せたぞっ」
「うん!!」
春は一度にっこりして立ち上がる。
「この度こそ行くの?」
「まあ行くとこないけど・・ち」
春が言い終わる前に
「じゃあオイラん宅に泊まりなよ!」
――目がキラキラと輝いてる!と春は笑った。
「クスッ。そうだねじゃあお言葉に甘えて」
「そういやまだ自己紹介まだだったな。オイラは洟木実(はなきみのる)
ってんだ!みんなからハナ坊って呼ばれてるからおじさんもハナ坊でいい
よ」
「そうかハナ坊か。僕は華桜春(はなさくらしゅん)っていうんだ。春で
しゅんだからハルでいいよ。あと僕はまだ29だからね」
ちょっと意地らしくいうハルの姿は父親がいないハナ坊にとって父親にみ
えたのか一瞬さみしそうに笑った。
作品名: 作家名:DG4