桃色センチメンタル
お気に入りの桃色のスニーカーが、雨上がりの水たまりに綺麗に映し出されていた。あたしは傘を閉じて、空を見上げる。虹が橋の上で光っていた。ふと、小学生のころの泰成を思い出す。虹ってすげえよな、生きてるみたいに輝いてる。興奮して教えてくれる彼の姿がおかしくて、笑った。
「あの人は、部活かなあ」
けれども、どうしてだろう。思い浮かぶのは泰成ではない。趣味で意気投合した、出会って一年の彼のことである。この場にいたとして、彼はこの虹を見て、なんという言葉を発するのだろう。いや、そんなことはあたしにはわかっている。
「なにこれ、めっちゃ綺麗だな」
ああ、そうか。あたしは彼の事が好きなのだ。そう思って微笑をする刹那、鮮やかな虹と柔らかい春の風が、あたしの心を弄んだ。
「あの人は、部活かなあ」
けれども、どうしてだろう。思い浮かぶのは泰成ではない。趣味で意気投合した、出会って一年の彼のことである。この場にいたとして、彼はこの虹を見て、なんという言葉を発するのだろう。いや、そんなことはあたしにはわかっている。
「なにこれ、めっちゃ綺麗だな」
ああ、そうか。あたしは彼の事が好きなのだ。そう思って微笑をする刹那、鮮やかな虹と柔らかい春の風が、あたしの心を弄んだ。