彼女との日々
同年 7月10日
翌日にスーパーマーケットに行ってみると、また彼女を見つけることができた! やっぱり、この田舎町に住んでいるのだ。たまたま来ていたのではなくて、本当に良かった!
おれはさっそく、また有機野菜コーナーにいる彼女に声をかけようとした(ナンパなどという言葉は使いたくない)。
「あなたも有機野菜がお好きなんですか?」
……と言おうとしが、うまく言うことができなかった。カミカミだ。しかし、彼女はうまく聞き取ることができた様子で、
「ええ、有機野菜は大好きですわ!」
と、明るく返事してくれた! そのときの嬉しさといったら、筆舌にしがたい! おれはそれに対し、「そうですか」とか言ったと思う。
なぜなら、あまりの嬉しさにより、心の中で舞い上がっている夢心地の気分だったからだ。夢心地から元に戻ったとき、彼女はそこにはいなかった。しかし、彼女はすぐにレジで見つけた。
「はい、フェリシア」
「ありがとう」
レジでの会話から、彼女の名前は『フェリシア』であることがわかった! 『幸運』という意味の素晴らしい名前だ!
彼女の素晴らしい名前を知り、また夢心地になりかけたが、彼女がスーパーマーケットから出ていくと、いてもたってもいられず、ショッピングカートと車を置いて、彼女の後を追いかけた。
彼女に交際を申し込むのだ!
彼女を追いかけたものの、いざ追いつくところになると、途端に緊張してしまい、彼女に声をかけることができなかった……。『心が張り裂けそうになる』とは、まさにこのことをいうのだろう。
こんなことを何度も繰り返した後、彼女はメインストリートから2ブロック離れたアパートの中に入っていった。そのまま追いかけてみると、彼女は通りに面した一室に入っていくところだった。
おれは、彼女の部屋のドアの前に立ち、インターホンを押そうとしたが、緊張のせいで、いつまでたっても押すことができなかった。仕方がなく、出直すことにした。
かならず、愛しのフェリシアに告白してみせる!