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リンドウノミチヤ
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KYRIE Ⅲ  ~儚く美しい聖なる時代~

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 白い羽根のような砂塵はやがて空に消えて行った。果てしなく続いた赤茶けた道は高地の小さな街に辿り着いた。

 男は路上にカワサキを停めた。
 宿を取るとその足で通りに出た。陽射しは強く、街は祭りの前の喧騒でごった返していた。


 
 ふと、雑踏の向こう、一人の少年が白い壁にもたれかかって佇み男を見ている事に気付いた。

 少年の手足は細く肌は月の光の様に白かった。
 その顔は陽の光に反射して良く見えなかったが、彼は何故かその少年を確かに知っている気がした。

 少年はふいときびすを返すと白い通りの向こう側に消えた。


 男は名を聞かねばという思いに駆られ、後を追って通りを渡ると少年の消えた白い壁の角を曲がった。