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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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切り戻し

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家庭訪問で真理の担任である川田芳江先生が広瀬の家を訪れた。彼女も離婚の経験者であるとその時言ってくれた。順一はその言葉にとても優しさを感じた。真理にとっては本当に良い先生に出会ったものだと思った。真理が席をはずし二人だけになると
「離婚は子供にとっては大変なことですが、その分愛情を子供に注ぐだけです。母親が父親の変わりはできませんが、それに近い事は出来ますから、私は野球を教えました」
「本当に自分の力ではどうにもなりませんが、幸いに両親がいるので助かります」
「お孫さんには甘いのではないですか」
「そんな風に感じますか」
「とても持ち物などがきちんとしすぎていますから、きっと自分でしていないなと感じます」
「そうですか、自分のできる事は自分でしなさいと言ってあるのですが・・」
「子供は良く大人のすることを観察しているものです。言葉だけではいうことを聞きません」
「仕事に追われて、真理の事は親任せなのです」
「今は本当に大切な時期ですから、できるだけ真理さんと接する時間をつくってください。女の子は男親には話せない事がありますから、その辺の事も理解しながら子供の観察も必要かと思います」
「勝手なのですが、そのような時は先生に相談しなさいと言っても宜しいでしょうか?」
「何でも相談する様に言って下さい」
「ありがとうございます。助かります」
 純一は川田先生が帰ると、子を育てることの責任を感じた。育て方により、自分の子の人生が変わってしまう事を感じた。子が自分のことを自分で判断できるまでは、どんな事をしても親が教えて行かなくてはならないと思った。編み物や料理まで真理には教えなくてはいけないと感じた。そしてやはり妻がいたほうが良いのかもしれないとも思った。
 川田先生が純一の頭に浮かんだ。

作品名:切り戻し 作家名:吉葉ひろし