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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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切り戻し

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 5月の風が校庭に張られた万国旗をはためかせていた。いよいよ午前のメインで有るリレーが始まる。放送で選手の集合が告げられた。4年生は3クラスであった。クラス対抗で有り、女子だけのリレーで有る。AチームBチームと有るが真理とみゆきちゃんはBチームであった。一人が50メートル走り4人の選手で争われる。みゆきちゃんは30メートルにしてもらい、その分を真理が走る許可を得た。
だから真理はグランドに一人で立っていた。新しく引かれたラインの白が眩しかった。そしてわくわくして来た。真理はアンカーを走る。
 ピストルが鳴り、6人の選手がスタートした。真理たちのグループは黄色の鉢巻きであった。みゆきちゃんの分も頑張ろうとみんなが遅くまで練習をした。黄色のハチマキは1人目からトップであった。2人目も3人目も4人目もトップであった。そしてみゆきちゃんにバトンが渡された。みゆきちゃんは一生懸命に走った。白いラインを引きずる様に、白いラインを消して行くように走った。応援団の太鼓が響き渡っていた。父兄の大きな声が聞こえた。あとから来た選手がみゆきちゃんを追い越して行った。
6等で真理にバトンが渡されたけれど、真理はみゆきちゃんに約束したように、とても速く走った。ゴールした時には大きな歓声がした。1等の選手と同時であった。
 汗がハチマキに沁み込んでいた。
 お昼はおばァちゃんが来ていた。重箱にお寿司や空揚げや、卵焼きなどが入っていた。とても美味しかった。お昼を食べているとみんなが来てくれた。かおるちゃんも杉田君も来てくれた。そして、みゆきちゃんの所に行った。
「みんなありがとう」
みゆきちゃんのお母さんがそう言った。そして、みんなに「家に遊びに来てね」と言った。
 校庭の万国旗が仲良しだよって手を結んでいる様に繋がっていた。

作品名:切り戻し 作家名:吉葉ひろし