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葉山 篤人
葉山 篤人
novelistID. 47616
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(仮タイトル)

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東雲さんがすらすらと説明してくれはしたが結局分からない事だらけだった。分かったことといえば東雲さんが不思議な力を持っているという事くらいだ。普通に考えたら陰陽師だの霊能者だの胡散臭いことこの上ないのだが、僕の考えていることを読んでいたり、最初みたとき浮いていたりしたことを考えると真実のように思える。
「いやいや、わっちは別に不思議な力なんて持ってないよ。考えていることはさっきも言った通り顔を見れば分かるし、浮いていたのは君の目の錯覚だよ。」
言って大して面白くもなさそうに東雲さんは笑う。
「幽霊を相手取るといってもおいらは普通の人間だよ。少し心得があるってだけさ。」
「はぁ・・・よく分かんないんですがこの状況は幽霊の仕業でそれを東雲さんが解決してくれるってことですか?」
いろいろ説明されてもいまいちよく分かってはいない僕だが、このお墓を散々破壊した幽霊?がもし人を襲うようなことがあれば大変なことになるということくらいは分かる。
「半分くらい正解かな?まずは解決すべき問題かどうかを判断しないといけないからね、その調査方法を考えている段階だよ」
東雲さんは面倒くさいという感情を隠そうともせずにそんなことを言う。僕から見ればこんな危険な幽霊がいるというなら退治するなり成仏させるなり解決させるべき問題にしか見えないのだが東雲さんにとってはどうもそうではないらしい。
「それってつまり調査の結果次第では解決せずに放置するってことですか?」
東雲さんが面倒くさくてこの件を放り出してしまいたいと思っているように見えてつい攻めるような口調になってしまう。
そんな僕の心中も東雲さんには丸わかりなのだろう。
「まぁ今回オレは仕事で来ているわけじゃないからね、この件に関わる義務は無いし面倒くさいという気持ちがあるのは事実だよ。
だからといって放置して行くつもりはないさ、こう見えてマジメだからね」
おちゃらけた感じに言うが言っていることは不思議とホントなのだろうと思えた。
「解決というという言葉を使った私が悪かったかな、こういった件はいろいろと複雑な事情が絡むことが多いんだ。後々経験していけば分かるよ」
「はぁ・・・あんまり経験したくないですけど・・・」
「はっはーそれもそうか、けれど今回の件はいろいろ協力してもらうよ」
快活に笑いながらサラっと言われた言葉に僕は驚かされる。
「え、協力?ムリですよ。僕は霊能力とか無いですし」
そんな僕の返答に東雲さんはまた笑う。
「いやいや、協力とは言っても君の思っているようなことじゃないよ、それは私のやるべきことだからね。
協力してほしいのは君のクラスメイトのことさ、たまちゃんとか言ったっけ?」
そこまで言われてようやく理解できた。一月さんにこの件について話を聞いて来いということなのだろう。大人の男が女子高生にいきなり声をかけたら怪しまれる可能性もあるだろうしそのことが変な事件になっても困る。
「そういうことでしたら多分協力できると思います」
彼女から話を聞くだけならそう難しいことでもないし僕でも出来るだろう。
「そう、助かるよ。君にお願いしたいのことは2つ、1つは君が彼女に信頼されること、もう1つは彼女を僕のところへ連れてくる。この2つだ簡単だろう?」
作品名:(仮タイトル) 作家名:葉山 篤人