(仮タイトル)
第2章
憂鬱な気分で学校に向けて自転車を漕いでいる。
山を登って一月珠希に会い、山頂の惨状を目の当たりにし、そして謎の男に遭遇したのはつい昨日のこと。
もちろん僕が憂鬱な気分なのは、その昨日の謎の男から頼まれたことが原因である。
ー以下回想ー
僕が見た山頂の状態や一月珠希について話し終わると、男は納得したようにうんうんと頷いた。
「なるほどね、大体把握できたよ。しかしこれはいったいどうするべきなのか・・・」
僕に対する言葉なのか一人語となのか判断しかねる言葉を発したのち男は思考を巡らせ始める。
僕のことをあまり気にしてない様子からしておそらくは一人語なのだろう。
声をかけるのもためらってしまうような雰囲気だったが、僕としてはなにも把握できてないし、この男が何者なのかもよく分からない。
「あの・・・」
思いきって声をかけてみたものの効きたいことが上手くまとまらず言葉が続かない。
言葉を探してあたふたとしていたら男の方から口を開いてくれた。
「あぁすまないね、君のとこを忘れていたよ。僕が把握していることはまだ説明できるほど分かってはいないから気にしないでくれ。
で、僕が何者かというと分かりやすい言い方をすると陰陽師?霊能力者?いやゴーストスイーパーかな?まぁ幽霊を相手取る人と思ってくれていいよ。実際は全然違うんだけどとりあえずそういう認識でいいよ。名前は東雲(しののめ)好きに呼んでくれ」