Thin Ice
一人残された俺は、とてつもない孤独感に襲われて、自分で自分の肩を抱きしめた。
修平が蒼を愛しそうに見つめる瞳。どこかで感じた気がする。
少しずつ靄が晴れていく。
修平は蒼を愛し始めている。だから俺は二人の空気に疎外感を感じたのか?
違う・・・俺は俺の中に作った空気に疎外感を感じている。
省吾が俺を見る瞳・・・修平が蒼を見つめた瞳・・・
省吾に抱きしめられた時に感じる。真綿で包まれた様な温かさと安らぎ。
全てを手放してその中に身を預けたくなる。
でも、それを怖がっているのは俺。
省吾に惹かれている。省吾に溺れてしましそうな自分が怖い。
自分の中に作った恐怖感が感じている疎外感。
どうする俺?
どうしたい俺?
『素直になれ』省吾の声が頭を回る。
傍にいて欲しい。抱きしめていて欲しい。
でも、怖い。
何故だか解らないけど怖い。省吾に溺れたら俺どうなるんだろう?