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一条 陽香流
一条 陽香流
novelistID. 46467
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Thin Ice

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「・・・好きだ。」消え入るような小さな声で呟いた。

「省吾さん」

俺は無意識で呼んだ。気が付いたら部屋を飛び出し省吾を探していた。

マンションのロビーで省吾の背中を見つけた。

夢中で駆け寄って後ろから広い背中に抱きつく。

「灯也?」

「俺の傍にいて欲しい。俺を省吾さんの傍に置いて欲しい。」

 「灯也・・・約束してくれるか?」

 「何?」

 「俺と二人きりの時だけで良いから、意地を張らず素直でいて欲しい。出来るか?」

 「・・・」

 「お前が壊れそうなのが見てられないんだ。何があっても俺はお前を受け止めてやる

  だから素直に俺にお前を預けてくれないか?」

 「重たくならないのか?」

 「お前なら受け止めれる。俺を信じろ。」

 「省吾さん」俺は省吾の胸の中に顔を埋めた。

 「ずっと抱きしめていてくれ。」

 「勿論。離したりはしない。だから安心しろ、ずっとお前の傍にいるから。」
作品名:Thin Ice 作家名:一条 陽香流