SEVEN
「訓練生番号112番浅井翔太、
人類の未来のためにこの命をささげることを誓います。」
「よしわかった、では人類のためにお前に出来ることはなんだ」
「今は・・・ありません。」
教官を含めその場にいたものの空気が変わった、
笑うもの、驚くものなど様々ではあったが確かに大きな変化が起きた。
「なら、なぜこの場にいる?」
「自分の目的のためです。」
これを聞いた教官は何も言わずに次の訓練生の問診を始めた。
「番号137番、斎藤櫂、人類のため、
友人のためこの命をささげることを誓います。」
「・・・よし、次!」
全237名の問診を終えついに合格した者の発表に移った。
「ではこの先の訓練に進めるものを発表する。
番号7番、39番、57番、96番、112番、137番、169番、200番、224番、237番、
以上10名を軍の訓練生として迎える、
この先人類のため戦ってもらう。」
たった10人!、なんで、などという声の中、俺は前にでて教官に呼応した
俺は軍に入ると決めた時、
恵美は本当にこのどこだかわからない異世界にいるのかとそう疑問に思っていた、
それが軍に入らなければいけないと思った一番の理由だった。
「今回の訓練生にはこの世界がなんなのか調べる調査隊に入ってもらう。」
俺は驚きながらも恵美を探しやすい隊に入ることができることに喜んでいた。
「説明の前に自己紹介をしてもらおう。」
「訓練生番号7番前田目的は世界に何が起こったかを知り、世界の安全のため戦うことだ。」
「教官、自己紹介は必要ないと思います。名前だけで十分です。」
「わかった。これから自己紹介するものは名前だけにしろ。」
自己紹介が終了し俺たちは調査隊に引き渡され説明を受けた。
「これから行われる3年間の訓練を終えた後調査隊に入ってもらうが
調査隊に入った後の説明を少しさせてもらう。」
調査隊の目的はこの異世界とあの巨大生物、「闇の騎士」について調べて今までの「現実」に戻る方法を探ることだ」
説明を終えた後訓練が始まった。
訓練をしている3年間合間を縫って恵美を探したが手がかりすらつかむことができなかった。
―3年後―
「さあ、これから人類の大きな1歩を踏み出すための調査を始める。」
「おお!!」
ついに人類が1度も踏み入れたことのない「エリア外」に初めて人類が踏み入った時だった。
「意外と何もないんだな。」
と同期の須東隊員がいったがその発言は正しくなかった。
ヒューという風の音とともに一人のヒトが現れたからだ。
「!!なぜこんなところにヒトがいるんだ?」
と、佐久弥隊長が言った。
だがその問いに答えたのは隊員ではなくその謎の「生物」だった。
「ヒトじゃねーよ。」
その声とともに佐久弥隊長が音もなく倒れた。
その後隊が壊滅したのは言うまでもない。
謎の「生物」による殺戮により150人いた隊員がたった8人にまで減った。
しかもその8人とは怯え逃げたものがほとんど、つまり新兵ばかりが残ったばかりだった。
隊長クラスの実力者は計算高く慎重な茅野修司ただ1人、これからの作戦には少し頼りなかったが、
どうやら作戦には参加しなかった隊長クラスの兵がかなりいるというのを聞いて安心した、となど思えたのはどれくらい後だっただろうか。