SEVEN
第1章 終焉の始まり
音の発生源はすぐに分かった。
町中に巨大な生物と黒い鎧を身に付けた騎士が現れたからだ。
しかし、いつもと違うのはそれだけではなかった、町すべてが違うのだ。
いつもの町にいたヒト全員と黒騎士が一瞬戸惑い逃げる、大声を出す、
笑みを浮かべるといった行動を起こした。
俺は恵美を見たがもうすべてが信じられないといった表情で立ちすくんでいた。
俺は恵美に近づこうとしたが逃げるヒトによって別の方向へと別れてしまった。
「恵美、恵美ぃぃぃぃ。」
この日ヒトは全人口の半分を失った。
一年後
「恵美はいますか、17歳でおれの幼馴染なんです。」
「そのような名前のものはこの施設にはおりませんが。」
「そうですか。」 俺はがくりと肩を落としながらあの日のことを考えていた。
恵美はまだ見つけることが出来ないでいる。
「翔太、こっちもダメだったよ。」
「櫂、そうか。」
彼は1年前、恵美が見つからず焦り、心の底ではあきらめていたときに出会った友人である。
「どうする。そろそろ外出禁止時間だぞ。」
「ああ、今日はもう帰ろう。」
二人で共同に生活している廃墟にかえってから俺は1つのことを考えこんでいた。
「どうした。そんなに怖い顔して。」
「俺軍に入ろうと思うんだ。」
「どうして、軍は奴らと戦わなければならないんだぞ、死にに行くようなものだよ。」
「軍に入ればどの施設に誰がいるのかわかるし、
俺たちみたいに廃墟で住んでいる奴も探しやすくなる。」
「だからって軍に入ることはないだろ。」
「でも1年探しても手がかりさえつかめてないんだ、
このままじゃ見つけることなんかむりだ。」
「でも、」
「俺は1人でも軍に入る、櫂は残るか一緒に来るか考えていてくれ。」
そう言って俺は部屋を出た。
俺は朝起きて櫂がいないことに気付いた。
外に出ると櫂が川原にいた。
「どうしたんだ櫂。」
「俺翔太と一緒に行くよ。」
「ああ、行こう。」
俺と櫂は恵美を探す旅に出た。