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Daybreak 〜その先にあるもの〜

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美也子が泣いた日の夜。私は眠れなかった。いろんな感情が渦を巻いてモヤモヤして、眠気が一向にやって来ない。ぼーっとしていた時、ふと頭の中に赤いものがよぎった。その赤は、流れるように滴り落ちていく。それを眺めた瞬間、心の中が静寂に変わり、安心感を得た。何となく手のひらをみると、私の手には一本の剃刀が握られていた。そして、腕をながれるものは、紛れもなく、私の赤い血だった。驚いた。頭の中で想像していただけだと思っていたのに。しかし、よくよく見ると、傷は薄く浅い。”どうせ、誰も気付かないだろう”そう考えているうちに私は眠りに落ちた。

その日からだ。自分から自分を底へと突き落としてしまった。痛いことは嫌いだったのに。私は自分の感じたことやストレスを、毎日リストカットという形で解消することを覚えたのだ。