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Daybreak 〜その先にあるもの〜

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~「俺さ、昔はすごい元気で明るいわんぱく坊主だったんだよ?」ハルは優しい表情を浮かべていた。「じゃあ、今は違うの?」私は尋ねた。「今は、というか、昔から違ってたんだよ。大人の表情を伺いながら、ご機嫌を取りながら。自分を演じてた。まるで馬鹿なピエロだよ。」表情を変えないまま、微笑みながら。「ハルはいつも笑顔だね。強いね。」「強くなんかないよ。弱いから笑ってないとダメだったんだ。ね、サチってさ、自分の名前気に入ってる?俺、ハルって漢字では晴って書くんだけどさ、そんな明るい名前似合わないから漢字では書いたことないんだ。」
それを聞いて私は驚いた。「私はサチって幸せの幸からつけたみたいなんだけどさ、高校の、あの出来事のあとからは幸って漢字使わなくなった。今はこの名前大嫌い。幸せって入ってるのに、私の人生は全然幸せなんかじゃない。」不満気に私は言った。すると、ハルは「俺たちホント気が合うね。もっともっと、もーっと早くにサチと出会いたかった!」あの時の無邪気でキラキラした表情はいつまでも忘れられない。ハルは自分のことを、馬鹿なピエロ、演じてたって言ってたけど、その表情は本物だと私は思った。ハル、私ももっともっと早くにあんたと出会っていたかったよ。~