憑くもん。
Epilogue:原因解決による現象の終息
結果だけ言えば朝目を覚ますと背後霊は居なかった、姿すらも見えなかた。
余りにも疲れすぎて夢でも見たのかと安易な夢オチをも考えたが夢にしては細部まで懲りすぎている。
それにそこまで考えてから何気なく足の傷痕を見てみると、何やらマークのようにも見えるのだ。
夢オチではないだろう。
じゃあこの先端が尖った長方形のようなマークはなんなのだろう。
「…アイツ、もしかして」
慌てて机の上に有った黒鉛筆を手に取る。
「…やっぱり」
『彩り無くして、楽しみ無かれ。』
とか
『とかなんとかカッコいいこと言ってみたり』
だとか
『私今度はこれに憑いたから黒髪だよ!』
…とか
『言いたいことはこれで書くから任せておきなさい!』
とかいったことが鉛筆の側面の文字に増えていた、何故か金文字で。
「…黒髪になったところで性格の幼さとセンスの無さは変わらないんだな。」
このセリフに反応して猛然と文字を書き始める黒鉛筆。
あの性格は変わってないらしい。
それとも、変えないでいてくれたのかもしれないがそれもそれで有難い。
俺の世界の無くなっていた色はそのお陰か段々取り戻されてきているみたいだ。
だかもっとも、このままだと暖色が濃くなりすぎかねない。
…それはそれで楽しそうではあるけどね。
Fin.