憑くもん。
「でも、私は貴方の側に憑き続けてあげます。」
………え?
何やら突然告白めいたセリフが飛んできましたが。
いや、嬉しい、嬉しいんだけどさ、上からの命令どうするんだよとかこの嬉しい感情は決して恋愛に関する物では無くてただ単に理解者が一緒にいてくれることによる物であって云々。
色々と思考が混乱した俺は、何を思ったか次の瞬間このような言葉を発していた。
何回も言っている通りこの背後霊が如何に可愛かろうと
「ゴメン、俺ロリコンじゃないから。」
「だから!茶化さないで!下さいッッ!」
お皿のように結構固い頭で頭突きを一発、中々にこれは体力を持ってかれる一撃。
すいませんでした、混乱したんです。
「側にいてくれる変わらない存在になってあげると言っているんですよ、とはいえ私は憑いてるので離れられないだけなんですけどね。上からの言葉はあくまで招待ですから大丈夫ですしね。」
「えっと、それは、つまり?」
「まぁ、私は霊としての張り合いがある人の側に要られる、依り主さんは変わらない自分の回りが手に入れられるということですね!一石二鳥です!」
「…よく状況が飲み込めてないんだけど、要は俺の背後霊として消えないってことだよな?」
「オフコースイエス、これからも宜しくお願いしますね?依り主さん♪」
まだまだ分からない事も飲み込めない事も一杯あるけれど、この事実が俺にとって嬉しかったことは分かった。
何故分かるのか?
世界が色を失って見えている俺に分かるのか?
分かっているだろう、少なくとも俺には分かっている自信がある。
理由、そうだな。
消えていた俺の世界の暖色がちょっと戻ったように見えたから、かな。