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エイユウの話~冬~

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「探しに行くってどうする気だ?」
「会いに行くんです。友達に」
「おまえは、そんなに金糸が好きなのか?」
 言ってから、金糸という表現を出してしまったことに気付いた。金糸は金髪迫害の中で隠語として生じた言葉が一般化したものである。それはすなわち、金髪迫害の言葉である。
 アウリーは面倒臭がらずに向きをきちんと変えて、真正面から父親を見た。父親は険しい顔をする。逃げるように、話題を戻した。
「どちらにせよ、導師の許可なくしては入れないぞ」
「じゃあ許可をください」
 そう言われて「ハイどうぞ」と言えるなら、娘に嫌われるかもと肝を冷やす心配もなかっただろう。
「あげられるわけがないだろう」
「なら、自分たちで会える道を探します」
「許可をもらう以外、どうひっくり返っても無理だよ」
作品名:エイユウの話~冬~ 作家名:神田 諷