エイユウの話~冬~
「さあな。可愛い娘が金糸とくっついたらとんだ恥だと思ったんじゃねぇの?」
ひどい推測だ。導師は先ほどの拍手を思わず撤回する。それに、娘があの金糸を好きだなんて、今初めて聞いた話だ。確かに反対はするなと、思わず共感してしまうが。第三者によってばらされたにもかかわらず、後ろにいる娘はかなり堂々としていて、この数ヶ月でだいぶ変わったんだなと、思考回路は何回もずれた。
しかし、芯はぶれていなかった。
「証拠不十分だ。私が行なったにしても、私一人の独断で幽閉など決定できるはずがない」
「そうだな。たとえば地と緑の導師が加担してたら話は別か?」
その発言に間抜けに導師は口を開けた。どうやら先ほどの発言は冗談だったらしい。頭はすこぶるきれる人物のようだ。授業に出てこないことが残念な人材である。
「不思議だろ。今ここに地と緑の導師がいないのは」
「二人とも授業だよ。補習授業だ」
「知ってます。でも、補習教室と全然違うところで二人を見たと言ったら?」
後ろで偉そうに立っていただけの少女が口を開いた。