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エイユウの話~冬~

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 金髪を捕まえて、管理下におけばいい。
 今ではノーマンも金髪に戻したようだが、彼はもう就職先が決まっているだけにそちらにも顔を出さねばならず、幽閉することは叶わない。代わりにきっと、監視用の何かを遣っているのだろう。また、学園にあまり来ないということもあり、危険因子の可能性は薄い。
 しかし、キースはどうだろうか?ほぼ常に学園内にいて、外との交流も薄い。加えて授業もサボりがちで拘束したって問題はない。また、流の導師や金髪迫害思想によるいじめなど、導師ないしは学園に対する強い反感も持っている。極めつけは、先陣を切ってこれを予知していたアウリーが接触している。数人の導師は焦ってキースという不穏分子をどうにかしなくてはならないと思ったもおかしくない。キサカはこれを幽閉派とした。
 もちろん反対する導師もいただろう。いくら先陣を切っているとはいえ、アウリーは最下術師。いくら導師の子供だって、劣等生であることに変わりなく、情報を鵜呑みにするには信用するに値しえないという考えだ。生徒を幽閉するという行為により評判が落ちることも懸念している、かなり保守的な思想である。こちらは放置派と名づけられた。
 けれども幽閉派の導師たちは、不安でいても立ってもいられない。そこで彼等は強硬手段に出ることにした。
 幽閉派の筆頭導師は流の準導師を使い、勝手にキースを拘束することにしたのである。
「じゃあ、流の導師様は幽閉派筆頭ってこと?」
「いや、もっといるだろ。アウリーのことを信じるやつが」
「それって・・・」
作品名:エイユウの話~冬~ 作家名:神田 諷